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4Kyushu University Campus Magazine_2010.11歯科医は、人を相手にする仕事患者さんをトータルに見て一本の歯の治療をするインタビューシリーズ・九大人 水上 哲也歯科医には、気力、体力、そして、プレゼン力が必要ーー歯学部に進まれたきっかけを教えてください。水上 最初は学校の先生になりたいと思っていたんです。運動もしていたので、クラブの顧問もやって、学生と一緒にスポーツをやるのもいいんじゃないかと思ったりもしていました。それで、高校3年生の時、進路指導の先生に、高校の先生になりたいって言いましたら、それだけはやめておけと言われましてね(笑)。なぜか歯学部に進学しろと強く勧められたんです。「それなら、受けてみますが、もし落ちたら二度と歯学部は受験しませんよ」と言って受けたんです。そしたら、運良く受かってしまいました。ーーどのような大学生活でしたか。水上 言ってみれば消極的志望で入った歯学部でしたし、当時の1、2年生の授業は、歯科と関係のないものばかりだったこともあって、入った頃は具体的な将来像も描けず、これでいいのだろうかと悩んだりもしました。そんなことで、勉強にもあまり身が入らず、部活動でバドミントンに熱中しました。でも、3年生になって、専門科目に触れ、臨床に関する勉強をするようになって、どんどん歯科に興味が湧いてきて、最終学年で臨床をやり始めると、この道は自分に向いているかもしれないと思えてきたんです。ーー歯科医は、手先の器用さも求められると思いますが、もともと器用でいらしたんですか。水上 そんなことはありません。勉強も実習も、どちらかというとできない方でした。今は、いろんな場所で講演もさせてもらったりしていますが、同級生からすれば、なんでお前がって感じでしょうね(笑)。まあ、私が学生の頃はおおらかな時代でしたしね。今のように試験に追われることもなくて、みんな伸び伸びと好きなことをやっていたような気がします。だから、スポーツにも打ち込めたのかもしれません。ーー九州大学で学んだことで、今の自分に活きているとお感じになることは何でしょうか。水上 学生時代に、自由な環境で過ごせたので、伸びしろを持って卒業できたと思います。それが、卒業してからいろんなことにチャレンジできるような素地を育んでくれたような気がしますね。また、大学時代にスポーツをやっていたことも、とても役に立っています。私たちは、現場に出たら、まずは体力と気力です。もちろん技術は必要ですが、毎日8時間以上、集中して治療を行うとなると、それはやはり体力と気力がなければ務まりません。その点、スポーツで培った体力や、最後まであきらめないという気持ちは、今の仕事に活きていると思います。クリニックのスタッフの皆さんと

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