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8Kyushu University Campus Magazine_2010.11鈴木 右文ったところを教師にアドバイスしてもらう。九大はWeb教材として『ぎゅっとe』というネットワーク型の集中英語学習プログラムを使用しています。『ぎゅっとe』は問題をひたすら解いていくドリルタイプのものですが、この『ぎゅっとe』を使うことで、少ない教師でも多くの学生を教えることができていますし、逆に1年生全員に少人数の作文教授をする余裕も生まれています。このようなメリハリのつく授業の展開ができるのも、Eラーニングのメリットだと思います。教員が学生と対面して学ぶべきことと、コンピュータでも学んでもらえること、その分業がしっかりできれば、総体的なパフォーマンスは良くなると思うんです。都留 確かに効率的ですよね。鈴木 でも、Eラーニングを導入したからといって、学生に任せっきりにしてはいけません。教員がコースをオーガナイズして、何をどのように進めたらいいかということをアドバイスする。いわゆるメンターの役割をしないとEラーニングは上手くいかないんです。先生が私にこう言ったとか、自分に関わってくれたという記憶があるだけで、学生の取り組みはかなり変わって来ますから。正規の授業を補完する補助的教材として活用。都留 九大が導入しているEラーニングに『ネットアカデミー』もありますが、これはどんなものですか。鈴木 『ネットアカデミー』は、全学で導入しているもので、教職員を含め、九大に所属する方は無料で誰でも使えます。検定対策的なものから、技術系、工学系、医学系英語、単語学習のプログラムまで揃っています。大学に入学した平均的な学生の英語の実力から、いわゆる実用で使える最低レベルの実力まで持っていくのに、1500時間の英語の学習時間が必要といわれていますが、それは、大学の正規の英語の授業時間では到底補えません。『ネットアカデミー』は、それを補完する目的で導入しました。主に、自習で使ってもらうものですが、学部によっては正課の授業でも一部使われています。文字チャットを使って、対話の訓練。都留 実験的にチャットを使った授業も実施されているそうですね。鈴木 ええ。文字のチャットを使ったものです。学生に、いきなり面と向かって対話の訓練をさせても、なかなか上手くいきませんでした。でも、文字なら対話できるという人がいたので、文字チャットに着目したんです。ネットワーク上でできるので、以前、北海道大学とつないで実験したことがあります。他の大学とやると緊張感が高まるし、話題も豊富になっていいんですよ。一番いいのは、ネイティブスピーカーの方に相手になってもらうのがいい。いろいろハードルがあって、まだ、一般に普及するまでには至っていませんが、コミュニケーションの取り方などに効果が見られています。また、昨今は、オンラインでコミュニケーションを取ることも一つの手段になっていますから、その能力を創造するという意味でも意義があると思っています。文字チャットの画面 ⓒ(株)野村総合研究所・九州大学言語文化研究院

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