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13Kyushu University Campus Magazine_2011.3技術の人間化。そのための「医工連携」。医用画像において「線」の認識手法に新たな概念を生む。聞き手 法学部3年 園田 彩乃吉永 幸靖 芸術工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部門 助教よしなが ゆきやす明るさの変化の強さではなく、 変化する方向に着目した「線集中ベクトル場モデル」園田 これまで先生はどのような研究をされてきたのですか。吉永 私は、大学院の時から、様々な医用画像のコンピュータ技術の研究をしてきました。X線像や眼底写真など、人体の診断を目的とした医用画像は、一般の画像に比べてコンピュータで扱いにくいと言われています。人体は非常に複雑な構造をしていて、画像から臓器の構造を理解するのは非常に難しいのです。その上、医療用の撮像装置は、人体への悪影響を最小限に抑えるために光量やX線線量が少なく、工業用の物と比べると画像の品質が著しく低下します。このため、画像診断をする医師は非常に高度に訓練され、柔軟性がある高感度な認識力を持っています。これまでの概念に基づくコンピュータ画像処理ではこのような医師の認識に匹敵することは難しく、新しい計測機器が実現されても医師の求める情報を提示することは困難でした。園田 それで「線集中度」という概念を考えられたのですね。25「ふろんとランナー」は、九州大学の研究の最前線をインタビューで紹介するシリーズです。シリーズ第25回目は、芸術工学研究院の吉永幸靖助教に、法学部3年(七戸克彦教授ゼミ)の園田彩乃さんが聞きます。

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