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9Kyushu University Campus Magazine_2011.5脳卒中症例のデータを集積・解析し、診断・治療の進歩に寄与。聞き手 情報基盤研究開発センター 南里 豪志 准教授北園 孝成 医学研究院 臨床医学部門教授 医学博士きたぞの たかなり脳卒中は、早い段階での治療がきわめて重要。南里 脳卒中というのはどのような病気なのか、改めてお聞かせいただけますか。北園 卒中という名前は、「卒然(そつぜん)(突然)と中(あた)る」という意味から来ていて、脳卒中とは脳の血管に異常が起こり、突然、脳の組織に障害が起こる病気です。具体的には、脳の血管が破れたり、血管が詰まって、その先の脳組織に損傷が起こり発症しますが、いろいろな病型があり、その病態も異なります。南里 発症する原因は同じでも、症状が変わってくるということですか。北園 様々な要因が複雑に絡んでいるのですが、脳卒中になる人は、大部分の人が危険因子(リスクファクター)を持っています。一番多いのは高血圧。それから糖尿病、最近ではコレステロールが高い脂質異常症(高脂血症)も増えてきました。このような状態が長く続くと、血管に動脈硬化が起きて脳卒中を引き起こしやすくなるのです。高血圧が関与して起こる病態に、細い血管が破裂する脳出血がありま26「ふろんとランナー」は、九州大学の研究の 最前線をインタビューで紹介するシリーズ です。シリーズ第26回目は、医学研究院 の北園孝成教授に、情報基盤研究開発セン ターの南里豪志准教授が聞きます。1万例のデータを、研究と臨床の橋渡しに。

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