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15Kyushu University Campus Magazine_2011.5 平成23年4月1日、我が国で三番目の数学系研究所として、九州大学にマス・フォア・インダストリ研究所(Institute of Mathematics for Industry, IMI)が設置され、4月5日(火)に、福岡市内のホテルで開所式が行われました。 マス・フォア・インダストリ(Mathematics-for-Industry, MI)とは、純粋・応用数学を流動性・汎用性を持つ形に融合再編しつつ、産業界からの要請に応えようとすることで生まれる、未来技術の創出基盤となる数学の新研究領域です。 マス・フォア・インダストリ研究所は「多様な数学研究を基礎におく産業数学の研究所」であり、長期的展望のもと、応用を視野においた数学研究者に加え、純粋数学系の研究者を配置し、数学を駆使して社会的課題の解決や革新的技術の開発にあたると同時に、予見できない将来を支える数学を深化させながら、同時に、未来を担う研究人材の育成を目指します。 開所式では、有川総長の挨拶の後、文部科学省の内丸幸喜基礎研究振興課長、桑原輝隆科学技術政策研究所所長をはじめとした関係者からの祝辞がありました。 また、引き続き行われた記念講演会では、京都大学数理解析研究所の森重文教授をはじめ6名の大学、企業等の関係者からの講演が行われました。あらかじめ想像されえない形ながら、数学の基礎研究/純粋数学の成果が、いつか諸科学の発展に寄与し、そして実社会の課題解決に役立つことは確かであろう。また、実社会の課題の解決に向けて発展する数学の応用研究から新しい数学が生まれ数学の深化をもたらすことも確かである。本図は、数学研究 (1)果てがないこと、(2)実社会という宇宙に対して、ますますの広がりをみせていること、(3)進化や深化に純粋、応用といった順序が決まっているわけではないことそして、現在進行形の数学基礎研究は、すべて未来の産業数学であること、を示すものである。このような視点からの数学研究領域が、マス・フォア・インダストリである。「Real World & IMI」TOPICSTOPICSアジア初の産業数学研究所マス・フォア・インダストリ研究所が開所科学技術政策研究所 桑原輝隆所長による祝辞シンガポール国立大学 Eng Chye TAN学長代理(右)と若山マス・フォア・インダストリ研究所長(左)

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