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5Kyushu University Campus Magazine_2011.5ーー落語研究会で一番楽しかったことは何ですか。龍山 寄席ですね。落語は一人で高座に上がりますが、寄席自体は、「前座」から「トリ」まであって皆で作るものです。そこに結束感がありました。だから、寄席が終わった後に皆で飲むビールは最高においしかったですね。ーーそれは、一つの番組を皆さんで作る今のお仕事と似ているところがありますか。龍山 そうですね。現在私は、『今日感テレビ』という情報番組を担当していますが、テレビに映る人はせいぜい4、5人です。けれども、その後ろでは何十人というスタッフが働いてくれています。しゃべり手は表に立つわけですから責任重大です。番組が生きるかどうかはしゃべり手次第というところもあります。いつもそんな緊張感を持ちつつ仕事をしています。他がやらないことをやる 常に新しいことへ挑戦ーー気象予報士の資格を取ろうと思われたのはどんな理由からですか。龍山 どんな仕事でも同じだと思いますが、アナウンサーの世界は競争社会なんです。皆高い倍率を勝ち抜いて入社してきただけあって、優秀な人物が集まっています。そこで生き残っていくためには、何か得意なものがなければいけないと思っていました。そんな時に、「気象予報士」という資格ができたんです。大学時代に勉強してきた航空工学は、気象と密接な関係があります。気象学の知識も多少持っていましたし、大学時代に培った知識を少しでも放送に活かせると思って受験することにしました。試験は無事合格して、それから約15年、夕方番組のお天気キャスターを務めています。今では自分にしかできない解説ができているんじゃないかと思っています。スポーツなどは人によって関心のあるなしがありますが、天気は全ての人の関心事です。生活に直結しますからね。私は、天気予報の仕事を大切だと考えていますし、視聴者の皆さんから、あの人の天気予報が見たいと言われるようなお天気キャスターであり続けたいと思っています。ーー自分にしかできないことと言えば、「ダジャレ」もその一つですか(笑)。龍山 そうですね(笑)。私が入社した20年程前の天気予報は、ネクタイをきちんと締めて、真面目に話さなければならなかったんです。ダジャレを言うなんて考えられませんでした。でも、ある時、ちょっと言ってみたら、これが以外と反応がよかったんですよ。今は私のダジャレを日記に付けている人もいるくらいです(笑)。後輩の指導も大事ですが、自分が走っているときは、やはり自分がトップでありたいと思いますよね。そんなこともあって、気象情報を伝えるにしても、ダジャレを入れたり、動作を加えたりして、できるだけ視聴者の皆さんにわかりやすく、興味を惹いてもらえるようなものになるように努めています。アナウンサーにとっては、自分の色を出すことも大切なことなんです。ーーアナウンサーのお仕事で大切だと思っていらっしゃるのはどんなことですか。龍山 放送はスッと流れてしまいます。数十秒で内容を理解してもらう本番前のチェックを行う龍山さん

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