http://www.kyushu-u.ac.jp-kyudaikoho_81
12/36

も心からお祝いを申し上げたいと思います。私の両親はすでに他界しておりますが、私の入学が決まった時は心から喜んでくれました。私は、今から40年前の1972年に九州大学に入学しました。1972年といえば沖縄返還の年です。高校を出たばかりで世の中を知らない私は一気に激動の世界に直面し、右往左往したことを覚えています。入学後には当時の六本松の教養部に入りましたが、そこには全国から大勢の学生が集まり、沖縄返還に賛成、反対の大激論をやっておりました。とても授業にならない状態でしたが、充実した毎日でした。前期の試験は実施されず、後期の試験はレポートだけとなりました。このような激動の時代に学生生活を送ったわけですが、今は激動の時代というよりも激変の時代です。皆さんもこの変化の激しさにとまどうこともあるかもしれません。けれども流れに押し流されないでください。自分を見失うことなく、自分の考え、自分の意思を強く持って行動していただきたいと思います。昨年3月11日の東日本大震災で日本には大きな爪痕が残りました。そして、エネルギー問題をはじめ多くの課題が浮き彫りになりました。しかし私たちは留まっているわけにはいきません。何年、何十年かかろうとも日本の復興・新生を成し遂げなければなりません。日本人全員が力を合せてこの大事業に取り組まなければなりません。もちろん私たちも頑張りますが、時代の変遷を見てもわかるとおり、この激変の時代を乗り切る原動力は若者の力です。皆さんも日本の復興・新生に向けて何ができるかをよく考えてほしいと思います。九州大学創立百一年の記念すべき年に入学された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。また、入学まで支えてこられましたご家族の皆様にKyushu University Campus Magazine_2012.5 11山本正已富士通株式会社 代表取締役社長平成二十四年度 入学式 来賓祝辞やまもと まさみ (昭和51年 工学部卒)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です