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高校生の頃から歯科医を目指していたという安波さん。朝早くから夜遅くまで続く仕事の息抜きは、医局で週一回おこなっているフットサルだとか。また、汗を流してリラックスできるサウナも好きで、よく利用されているとのことでした。 NEXT Professional臨床の視点を持って、インプラントの研究に取り組んでいきたい。memo指導教員より■九州大学の関連WEBサイトへGo九州大学 歯学府http://www.dent.kyushu-u.ac.jp歯学研究院 口腔機能修復学講座インプラント・義歯補綴学分野古谷野 潔 教授こ や の きよし研究への熱い思いを持って、一歩進める成果を出してほしい。インプラントを成功させるには、インプラントを歯肉でしっかり封鎖し、感染症を防ぐことが重要です。これまでは、インプラントの表面を磨いたり、物理的に形状を変えたりして封鎖性を高めようとしてきました。対して安波君の研究は、「スタチン」という薬剤を使って骨や歯茎を改善し、封鎖性を強化しようとするものです。インプラント側からではなく、生体側から課題にアプローチする研究は今までなかったので、新たな方向性を見いだすタネがたくさんあるのではないかと思っています。また、「スタチン」という薬は、既に一般で使用されているので、人体に対する危険性も低く安価で手に入ります。つまり、実現性も高い。ここも評価できるところです。彼は、寡黙で一見シャイな感じに見えますが、内心は熱い思いを持っています。協調性もあり研究にも積極的です。ぜひ、臨床応用へと発展できる研究成果を出してほしいですね。期待しています。安波 礼之さん DATA←←秀明高等学校(埼玉)鶴見大学 歯学部九州大学大学院歯学府 博士課程細胞レベルでは良い結果が得られていますので、今後は、ラットなどの小動物で観察していきたいと思っています」 安波さんは、昼間、診療の現場に立っているので、研究に取りかかれるのは午後8時頃から。深夜に及ぶことも珍しくありません。 「やることが多いので、明日、何をするか自分なりに目標を決めて仕事を進めています。歯科医であるからには、臨床の現場の経験も積みたいですし、研究においても成果を出したい。臨床と研究を両立させるのは大変ですが、覚悟の上ですから(笑)」と明るく語る安波さん。 「歯科医は歯の治療だけをやっているように思われがちですが、補綴科や口腔外科など、さまざまな分野があります。これから歯科医を目指す人たちには、幅広い可能性が広がっていることを知ってほしいですね」。 歯科医としても研究者としても、まだ入口に立ったばかり。日々の経験を重ねながら、課題に取り組む若き研究者の今後の成長が楽しみです。臨床と研究を両立しながら、歯科医としての道を歩みたい。22 Kyushu University Campus Magazine_2012.5

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