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平成24年6月10日(日)、エルガーラホール(福岡市中央区)において、本学東アジア環境研究機構と総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構)の主催により、第11回地球研地域連携セミナー「東アジアの『環境』安全保障:風下・風上論を超えて」が開催されました。両機関は、平成22年10月の学術交流協定締結以降、継続して人的交流や共同研究を行っており、本セミナーもその取組みの一環として行われました。一般市民を対象に開催された本セミナーでは、160名以上の方々が参加されました。 開会にあたり、落合英俊RIEAE副機構長(本学理事・副学長)から挨拶がなされた後、4名の講師(柳哲雄教授・応用力学研究所、中野孝教教授・総合地球環境学研究所、矢部光保教授・農学研究院、窪田順平教授・総合地球環境学研究所)により東アジアの大気・海洋越境汚染や江戸時代の循環社会における知恵の現代社会への応用等の講演が行われました。 続いて、セミナーに先立って開催された同テーマのワークショップ(平成24年5月19日?20日開催)において、本学で学ぶ東アジアからの留学生と日本人学生によって議論された結果報告として、越境汚染に対して東アジア諸国が取り組むべき課題が提示され、この報告を踏まえてパネルディスカッションが行われました。 各国が近接する東アジアでは、環境問題が越境汚染問題に発展しやすいという特徴があります。しかし東アジア域内での人やモノの往来が加速度的に増える中、環境汚染の発生源を「加害者」、汚染被害地域を「被害者」と捉える越境汚染の「風上・風下論」を展開し、互いの非難に終始しても越境汚染は解決されません。重要なことは、「各国の環境問題は私たち東アジア全体の環境問題でもある」と認識し、相互理解に努め、国際協調による問題の克服およびそのための土壌を醸成することです。本セミナーでは、各国の環境政策および研究の次世代を担うと期待される九州大学の学生たちが、越境汚染解決における国際協調の必要性を打ち出しました。そして、現世代を代表する講演者達から彼らに向けて、自分達の研究成果を引き継ぎ、国際協調による問題解決をより一層推進していくよう激励が送られ、その幕を閉じました。 今後も、東アジア環境研究機構では、市民の皆様とともに東アジアの環境問題の解決に向けて考える機会を提供していく予定です。(東アジア環境研究機構 特任助教 川井 晴至)クローズアップ?Cl seup地域連携セミナー「東アジアの『環境』安全保障 風下・風上論を超えて」開催矢部教授講演ワークショップ報告の様子16 Kyushu University Campus Magazine_2012.7

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