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尾下 優子経済学府 経済システム専攻 博士課程3年Yuko Oshita九州大学で学び、目指す分野を究めようとする次世代のプロフェッショナルを紹介します。今回は、21世紀プログラム課程から経済学府へ進学。日本学術振興会の特別研究員として活躍されている若き女性研究者をご紹介します。さんNEXT Professional指導教員より■九州大学の関連WebサイトへGo九州大学 経済http://www.en.kyushu-u.ac.jp/経済学研究院国際経済経営部門/国際経済分析講座加河 茂美准教授 か がわ しげ み今後も自分の成果を論文にして世界に発表し続けてほしい。彼女は、国内外問わずいくつかの学会に入っていて、年に2~3回は研究発表をしています。国際学会では当然、英語ですが、物怖じすることなく発表しています。研究に対するモチベーションも高く、既に、カリフォルニア大学やシドニー大学の先生と共同研究も行っています。教授と学生がタッグを組んで論文を発表するケースがありますが、彼女の論文は、全て自分で書いて発表まで持っていっています。最近、『Energy Economics』という環境経済学分野のトップジャーナルに単著論文が掲載されています。これは、なかなかできることではありません。私は、彼女を面接したとき、その発想力がおもしろいなと思いました。同時に、研究者としての素質も感じましたね。予感は当たり、彼女は早いスピードで成果を上げています。今後、彼女に望むのは、論文を書き続けてほしいということ。英語で論文を書き、世界の一流の研究者からの査読コメントに苦しみ、そしてインパクトのあるジャーナルへの掲載を目指す。Be ambitious!尾下 優子さん DATA←←←てのことです。しかし驚いたことに、彼女は学部時代は経済を専攻していなかったといいます。学部時代は21世紀プログラム課程に在籍。農学系へ進むつもりでしたが、卒論テーマを選択する際、現在の指導教員に出会い、経済学府へ進む決心をしたのです。 「ダイレクトに事象を解決するより、社会や世界など、大きな枠組みで捉えてシステムを生み出す方が、自分に向いていると思ったのです。経済の知識を修得する必要はありましたが、21世紀プログラム課程でいろいろな分野を学んだことが、広い分野から問題点を抽出できる力になっていると思います」 「研究に答えはありません。だからとても苦しいし難しい。でも、世界中で自分一人しか出せない結果を一番早く知ることもできます。これは他では経験できないことです。いばらの道ですが、それをおもしろいと思える人は研究者になる素質があると思います。ぜひチャレンジしてほしいですね」 穏やかな物腰のなかに、意志の強さが垣間見える尾下さん。より一層の活躍が期待されます。研究に答えはない。でも、おもしろいと思える人には素質がある。長崎県立 長崎南高等学校九州大学 21世紀プログラム課程九州大学大学院 経済学府 修士課程九州大学大学院 経済学府 博士課程中学時代はソフトボール部に所属し、高校時代は、射撃部とハンドボール部をかけもちしていたという尾下さん。今でも、研究の合間にキャッチボールをしたり、ジョギングをしたりすることがあるそうです。研究に向かうタフな姿勢は、部活で鍛えた精神力に支えられているのかもしれません。memo※国内経済において一定期間(通常1年間)に行われた財・サービスの産業間取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表で、5年ごと(西暦末尾0及び5年の年次)に関係府省庁の共同事業として作成している。経済学と新 分野をつな 架け橋にな 12 Kyushu University Campus Magazine_2012.9

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