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九州大学大学院理学研究院とKEKは、CERNをはじめとするアジア・欧州・太平洋地域の高エネルギー物理学の研究機関と協力し、同地域の若手研究者(主に博士課程の大学院生)に対する国際スクールを開催しました。その名称は「第1回アジア・ヨーロッパ・パシフィック高エネルギー物理学スクール(The First Asia-Europe-Pacific School of High- Energy Physics : 略称AEPSHEP 2012)」で、栄誉ある最初のスクールが、本年10月14日から27日までの約2週間、福岡市で開催されたのです(今後は、各国持ち回りで隔年の開催となります)。主な会場は海の中道にあるザ・ルイガンズホテルでしたが、10月21日には本学箱崎キャンパスで講義が行われました。 この国際スクールに参加したのは、書類選考で合格した83名の若手研究者と、鈴木厚人KEK機構長やロルフ・ホイヤーCERN所長を含む総勢20名の最高の講師陣です。第一線で活躍する研究者から最新の情報を直接学ぶ場を提供するとともに、若手研究者間の交流を推進することで、次世代のリーダーとなる人材を育成することを目指しました。 この国際スクールの実施委員会委員長は、川越清以センター長が務め、素粒子実験研究室のスタッフ全員が実施委員として準備・運営にあたりました。また、博士研究員1名と修士課程大学院生2名が若手研究者として参加し(研究室創設2年目なので、彼らが最上級生です)、学部4年生(卒研生)も学生スタッフとして参加しました。それぞれが、国際スクールという最高の国際交流の場を使って、さらなる飛躍へのきっかけをつかんだものと思います。 素粒子実験研究室は、その研究活動を広く一般の皆様に知っていただくために、市民講演会やサイエンスカフェなどのアウトリーチ活動も積極的に行っています。特にILC計画のようなビッグプロジェクトを成功させるためには、地域住民の方々にその内容を十分に理解していただくことが不可欠です。 具体的には、福岡県や各自治体のご協力を得て定期的に市民講演会を行っています。最近報道されたCERN LHCでの「ヒッグス粒子」とみられる新粒子発見の影響で200人を超える聴衆が集まることもあり、関心の高さがうかがえました。佐賀県や長崎県からお越しくださる方もあり、今後、活動の範囲を広げていく必要性を感じています。また、比較的小規模(20〜30人程度)な催しとして、月1回の頻度でサイエンスカフェを開催しています。少人数で行うことで研究者との距離が縮まり、気楽に質問しやすい環境になっています。 今後、アウトリーチ活動の重要性は、ますます高まってくることでしょう。素粒子実験研究室は大学での研究教育活動だけでなく、アウトリーチ活動も研究者の義務だと考え、これからも活発に行ってまいります。Special Feature : Particle Physics16 Kyushu University Campus Magazine_2012.11サイエンスカフェの様子「AEPSHEP 2012」の集合写真AEPSHEP Webサイト http://2012.aepshep.org

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