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岡本:そうですね。例えば、舞台の上は神聖な場所なので、掃除のときでも足袋を履かなければいけませんし、時計やメガネなどキラキラした物を身に付けて舞台に上がることはできないようになっています。でも、こういう決まりごとや能の用語も、やっているうちに少しずつ慣れていきます。岩田:森本先生に教えていただけるのは、桜坂にある能舞台でのお稽古が月2回と、アクロス福岡の練習室での月2回、合わせて月4回です。普段は三畏閣に集まって、自主練習をしています。上級生が下級生に教える形で、皆で謡と舞を練習します。また、希望者は太鼓や笛などの囃子を習うこともできます。岡本:先生にお稽古をつけていただくのは月4回なので、先生に指摘していただいたことを次回までに直すよう、日々の自主練習に取り組んでいます。先生は熱心にお稽古をしてくださいますが、とてもフレンドリーな方なので、かたくなりすぎずに能のお話が出来ます。毎年12月に「大学能」という一大イベントがあるんですが、これを目標に皆で活動しています。岡本:12月に行われる大学能では4年生がメインになります。下級生の頃は、「仕舞」という能の一番盛り上がるハイライトシーンだけを演じます。仕舞では、お囃子も全て学生が演奏します。でも、4年生になると、能を一曲全部演じる事ができるんです。これはとても名誉なことで、4年間の集大成でもあるので、お囃子などはプロの方にお願いしています。岡本:能は「観客に想像してもらうことによって、はじめて完成する芸術」だそうです。だから、能での動きは抽象的なものが多く、笑ったり泣いたり感情をあらわにすることはありません。決められた型、舞の所作で表現しなければいけないんです。この点が能の難しいところですが、同時に大きな魅力でもあります。岩田:確かに、難しいことはとても多いです。能を知れば知るほど課題が見えてきますし。でも、自分が実際に能をやってみると、思っているよりも排他的なものではないなと感じました。能に触れる機会は意外と身近なところにあります。もっともっと知られていい伝統芸能だと思います!岡本:発表会は入場無料なので、能を見たことのない方でも気軽に来ていただきたいです。お客様にお配りするパンフレットで、メインの能に関してはストーリーを漫画にしたり、仕舞に関してはあらすじを簡単にまとめたりしていますが、好評をいただいています。山口:能楽堂に入るだけでも最初はとても感動しますし、あまり身構えずに、是非一度能に触れてみてください!部員も募集しています。普段なかなか見ることがなく、敷居が高いと思われがちな能ですが、今回の取材を通して意外と身近に触れる機会があると感じました。舞を披露していただきましたが、役になりきって舞う姿は圧巻です。皆さんも12月の発表会で、能の奥深い世界をのぞいてみては…?九州大学 能楽部 Webサイトhttp://www.geocities.jp/kyudai_nohgaku/この記事は、広報室学生スタッフが制作しました。PC観客が想像することで、はじめて完成 九大 能楽部新入部員随時募集中!!―なるほど、今も「大学能」に向けて練習に励んでいらっしゃるのですね。発表会では、どういうことをしているのですか?―皆さんにとって、能の魅力とは?―最後に一言お願いします。♦平成24年12月15日(土)♦13:00開演(12:30開場)♦会場:森本能舞台 (福岡市中央区警固)左から三上さん、毛笠さん、岡本さん、山口さん、岩田さん『半能 田村』第十三回大学能入場無料―それでは、普段の練習について教えてください。―能といえば、用語や決まりごとなどがたくさんあって、難しそうなイメージがあるのですが…。34 Kyushu University Campus Magazine_2012.11

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