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指導教員より■九州大学の関連WEBサイトへGo九州大学 環境エネルギーhttp://www.eee.kyushu-u.ac.jp/総合理工学研究院エネルギー物質科学部門小山 繁教授 こ やま しげる将来は、ヒートポンプ技術開発の第一線で活躍してほしい。良く体を動かし、頭を使い、困難な課題に取り組んでいます。実験的研究を推進する上では、どのような実験装置を作るかと、実験結果の整理・分析が研究の成否を左右しますが、松尾さんは自らアイデアを出し試作と失敗を繰り返しながら、これまでに誰も考えなかったユニークな実験装置を製作しました。実験結果の分析においても、仮説に基づき工学的な有用性を得ています。機械工学の分野は、あらゆる技術の発展にとって極めて重要な基盤技術の一つです。また、松尾さんが取り組んでいる伝熱研究は、今後エネルギー環境問題を克服する上で、重要性を増すヒートポンプ技術の進展に貢献できる課題です。女性では珍しい工業高校から大学、大学院に進むなかで、彼女は自分の意志を貫く実行力を身につけてきたようです。将来は日本を代表する研究者になってほしいですね。また、世界のヒートポンプ技術開発の第一線で活躍してほしいと思います。松尾 叔美さん DATA←←←伝熱促進効果を調査するための実験を進めると同時に、提案した新しい実験方法の有用性を確認する実験も実施しているとのこと。その成果は、学会で優秀講演賞を受賞するなど高い評価を受けています。 松尾さんは、女性では珍しく工業高校のご出身です。 「父が九大機械工学科出身でエンジニアだったので、お風呂の栓を抜く時の水の動きで流体力学の説明をしてくれたりしていました。常に好奇心を育める家庭環境だったんです。それで、少しでも早く専門の勉強をしたいと思うようになり、高校は周囲の反対を押し切って工業高校へ進学しました」 その後、大学は佐賀大学の理工学部に進学。大学院から、熱工学及び冷凍・空調分野で著名な本学の小山繁教授に指導を受けています。 「あらゆる分野の生産過程において、何らかの機械が使用されていて、人々の生活を支えています。それは、ものづくりに携わりたい人にとって魅力的なことです。誰かと張り合うのではなく、自分の力を出し切ることだけ考えて前に進めば、きっと光が見えてくると信じています」と松尾さん。今後も社会に貢献できる成果が期待されます。早く専門知識を学びたい。思いを貫き工業高校へ。 全力で研究を続けていれば、少しずつ光が見えてくる。 福岡県立 福岡工業高等学校佐賀大学 理工学部 機械システム工学科九州大学 大学院総合理工学府 修士課程九州大学 大学院総合理工学府 博士後期課程※層流…流体の隣りあう部分が混ざりあうことなく、流線が規則正しい形を保つ流れのこと。研究は仲間と楽しく行っているので、ストレスを感じることは少ないそうです。飲みに行ったり、おいしいものを食べに行ったりするのが一番の息抜きとか。将来は、仕事と家庭の両立を目指したいとのことです。memo松尾 叔美総合理工学府 環境エネルギー工学専攻 博士後期課程2年Yoshimi Matsuo九州大学で学び、目指す分野を究めようとする次世代のプロフェッショナルを紹介します。今回は、女性研究者が少ない機械工学の分野で、ヒートポンプ技術の発展に寄与する伝熱研究に取り組まれている若き女性研究者にお話を伺います。さんNEXT Professional機械や技術を 人々の幸せや社会の発展に 12 Kyushu University Campus Magazine_2013.1

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