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東芝 日本化薬 平田機工 パナソニック 福岡県 ふくおかIST 富士フィルム 大電 三菱レイヨン リコー CSIRO (オーストラリア) 福岡市 ISIT 東京エレクトロン 東海ゴム 新日鉄住金化学 保土谷化学工業 ジャパンディスプレイ 日産化学工業 基礎研究から革新的有機EL発光材料の創製へ 有機EL(エレクトロルミネッセンス)とは、電流を流すと発光する有機化合物を利用した仕組みで、発光ダイオードのことです。有機ELの研究は、有機半導体光エレクトロニクスの中核であり、新しいデバイスの開発にも生かされています。九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)では、これまで、内閣府最先端研究開発支援プログラム(FIRST)にて、従来の蛍光EL、リン光ELを超える第三のELとして、世界初の新しい高効率発光材料の開発に取り組んできました。 現在最も高効率なリン光ELは、貴金属であるイリジウムを含有する有機金属化合物を用いてきましたが、本プロジェクトでは新しい第三の発光メカニズムであるTADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence)を原理とする高効率なイリジウムフリーの有機発光材料“Hyperfluorescence"(ハイパーフルオレッセンス)を創出することができました。有機化合物の魅力は、その分子構造の多様性にあり、TADF材料はまさにその自由度を100%活用した新分子の創製です。誰もができないと思っていた発見が2年間のプロジェクトの進捗で達成されました。戦略的な知的財産権の取得を進め、日本の大きな財産にするとともに、有機光エレクトロニクスを次世代の日本の産業の核に育てていきます。 有機半導体光エレクトロニクスの研究分野は、今、基礎学問から離陸しました。そして、企業と大学が連携することで着実に成長を遂げ、これから大きな産業化への展開が期待されています。そのコア技術が、新しい有機半導体材料の開発です。有機化学と電子工学の融合によって新しい学問分野と産業が創出されました。新材料やデバイスの開発は、これからの産業発展の中核を担い、無限の経済的価値を生み出します。そして、これらの研究過程において予想もしなかった新デバイスやサイエンスが生み出される可能性も考えられ、その付加価値的な利益も期待されています。 ―“Nature”に公開されたOPERAの取り組み― 第三世代有機EL素子の創製へ新しい有機半導体サイエンスの離陸と産業化へKyushu University Campus Magazine_2013.1 13OPERA参画企業1991年3月1991年4月1996年8月1999年5月2001年3月2004年4月2005年9月2010年3月九州大学 大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻博士課程 修了(工学博士)株式会社リコー化成品技術研究所信州大学 繊維学部機能高分子学科 助手米国プリンストン大学、Center for Photonics and Optoelectronic Materials(POEM) 研究員千歳科学技術大学 光科学部物質光科学科 助教授千歳科学技術大学 光科学部物質光科学科 教授九州大学 未来化学創造センター 教授九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター センター長安達 千波矢

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