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インタビュー/モハメド・エル-シャルカウィ、 ガド・モハマド・エル-カディシリーズ九大人14 Kyushu University Campus Magazine_2013.3カ、中東との協力関係を築くことができるようになります。インフラが整った良い研究機関もあります。研究したいと願っている志の高い若者もいます。彼らを対象にして国際レベルで教育するのです。そしてエジプト、あるいは日本に派遣し、日本とアフリカ、中東の関係を深めましょう。これからもさまざまなことを協力していく必要があります。ー最後の質問になりますが、九州大学の学生たち、あるいは若い世代にメッセージをお願いします。また、九州大学とエジプトの関係性について、展望をお聞かせください。エル-シャルカウィ まずは個人的なメッセージですが、新しいキャンパスがあるのは知っていますが、箱崎キャンパスに行きたいですね(笑)。九州大学のカイロオフィスは、とても大きなチャンスがあると考えています。九州大学やその他の大学を、エジプトで奨励していく必要があります。また、学生レベルだけではなく、研究者レベルでエジプトの研究機関と九州大学の間で協力関係を構築するなど、これまでの概念を超えた発想が必要です。日本の教授がエジプトに行き教える。また、エジプトの教授が日本、九州大学に来て教えるといったようなことです。九州大学には英語のプログラムも数多くあるので、エジプトの教授を招いて講義をするのもいいでしょう。 それを達成したら、日本の学生をエジプトの研究機関に1学期、あるいは1年間送ることもできるでしょう。日本の学生が、既に知り合いとなったエジプトの教授のもとに行って勉強できるのです。エル-カディ 私はまず、エジプトの研究機関との研究協力を心配しないでほしいと思います。エジプトには、多くの交流候補となる研究機関があり、国際研究協力を行う準備があります。九州大学はカイロオフィスを持っているので、とても良いポジションにいるのです。カイロオフィスを利用して、「JENサロン」を、文化、薬学、あるいは水産学の分野で開催し、九州大学の教授陣と大規模な会議を開催するこないのではないでしょうか。きっと、カイロの道路や車の数をご覧になったら驚くでしょう。エジプトの近代的なイメージは、まだ日本の社会には明確に浸透していないのではないかと思います。ですから、あらゆる分野でさらなる協力関係が期待できるのです。エル-カディ もちろん、科学や技術分野の技術移転は重要ですが、一方通行の知識移転では困ります。エジプトには、礼儀正しく知識を学ぶ良い人材がいます。上エジプト、下エジプト、カイロ、ナイルデルタ、砂漠など、環境はさまざまです。そして、それぞれに砂漠化や天候変動といった問題を抱えています。そのような地域へ問題解決の提案をすることが、日本とエジプトの新しい協力関係を築くいいスタートになります。エジプトに良いばかりでなく日本もエジプト、さらにアフリともできるでしょう。また、九州大学とエジプトの研究機関の協力関係を強化し、学生レベルだけではない関係を築くことです。これは九州大学にも、エジプトの研究機関にも良い結果をもたらすことになります。エル-シャルカウィ また研究プログラムも必要になります。九州大学とカイロ大学の間には強い関係があるはずです。これは、今後より深い協力関係を築く上でとても重要です。エル-カディ 我々がいるこのオフィスをエジプトとの窓口と考えていただければと思います。我々2人とも九州大学の卒業生ですし、利用していただくことで、これまでと異なるレベルでエジプトと日本の協力体制が築けるのであれば喜んで協力します。エル-シャルカウィ 九州大学にはたくさんの恩があると感じていますので、ぜひ、恩返しをさせていただきたいと思っています。※ JEN(Japan Egypt Network/日本エジプトネットワーク)日本とエジプトの文化的、学術的交流を活性化し、双方の連結を強化するために、2010年2月に立ち上げられた新しいネットワークです。九州大学カイロオフィスを事務局とし、在エジプト日本国大使館、国際交流基金カイロ日本文化センター、JICAエジプト事務所、日本学術振興会カイロ研究連絡センター、エジプト高等教育省、日本への元留学生同窓会によって構成されています。エジプト日本科学技術大学(E-JUST)

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