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理論ありきで研究を進めると現場と乖離してしまう。実践と研究の架け橋ができていないのです。私は、理論なしでサポートをするのは良くないと思っています。「なんとなくやって改善できました」では他で活かすことができません。ただ、どうしても面談ベースになりがちなので、そこに量的な心理検査などを交え融合させながら、研究として確立していきたいと考えています。陳 大学は早稲田大学を卒業されていますが、なぜ、九州大学の大学院で学ぼうと思われたのですか。内田 父母から支援するのは大学までと言われていたので、大学院は自分で学費を稼ぐ必要がありました。早稲田は私学ですし、自分で学費を払うのは難しかったのです。そんなときゼミの先輩に、昨年本学を退職された橋本公雄先生のことを聞いて本学の大学院に進学する決意をしました。全く縁のなかった場所でしたが、九州大学に来て本当に良かったと思っています。健康行動学コースは、色々な研究室の学生が大部屋に一緒に机を並べて勉強しています。だから、色々な分野の学生と話をすることができるのです。お互い違う領域なので専門用語を使っても通じません。相手に自分の考えていることをわかりやすく伝える訓練になりました。衝突することもありましたが、仲間と切磋琢磨しながら成熟することができたと思います。研究は自分の専門を深く掘り下げることも必要ですが、同時に幅広い視点で捉えることも大切だと思います。陳 最後に、九州大学を受験しようとしている学生や、在学生に向けてメッセージをいただけますか。内田 色々な場所に足を運んでほしいですね。そこで得たものを取捨選択するなかで、本当にやりたいことを見つけることができると思います。また、目標が大切です。目標が見つかったら、躊躇せず覚悟を決めてください。覚悟があれば、くじけずに最後まで頑張ることができると思います。目標を見つけたら、覚悟を決めて挑戦してほしい18 Kyushu University Campus Magazine_2013.3※ QOLクオリティ・オブ・ライフ(quality of life)の略で、一般に、一人ひとりの人生の質や、社会的にみた生活の質のことを指しており、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念。金メダリストの皆さんのサポートをしてみませんか?視覚障害を持つ方たちがゴールボールの試合を行うには、実は多くのボランティアの方たちの力が必要となります。金メダリストの皆さんも練習を行っている伊都キャンパス近くの「国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局 福岡視力障害センター」では、随時ボランティアを募集しています。連絡先 : uchida@ihs.kyushu-u.ac.jp[内田若希講師]ロンドンパラリンピックでは、金メダルを獲得したゴールボールチームのメンタルサポートにも携わる。日本チームの金メダル獲得に大きく貢献。ゴールボールチームの金メダル獲得記念に作られた皿。Front Runner ふろんとランナー 内田 若希

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