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ようこそ、教育学部へ、九州大学へ、そして学術のモラトリアムへ。大学は、定まった答えの先にある問いを探究するところです。皆さんのこれからの大学生活とキャリアの形成には、いっぱいの可能性があります。大学は、そのための役割試行実験の時間と空間を用意しています。 教育学部は1学年50名の小さな学部で、所属教員29名をはじめとする多数の教職員が皆さんの数年間の大学生活に関わっていきます。さらに九州の地域課題に添った、また海外のグローバルな学習の場でのたくさんの出会いが皆さんを待っています。教育と心理を専門とする分野特性もあり、学生同士の、また学生と先生との交流の密度の濃さ、仲の良さは他に比べようもありません。入学したらすぐに理解していただけると思います。 また、教育学部での学修の発展として大学院人間環境学府があります。皆さんに、先生たちが最も生き生きと仕事をしている「学術と専門の世界」への途をお誘いしています。 どうぞ、同級生や先輩・友人、先生たちと語り合いながら、学術の迷路を愉しんで下さい。 みなさん、文学部へようこそ。 文学部の研究分野は多岐にわたりますが、知への愛(philosophia)と言葉への愛(philologia)を両輪に、人間と、人間が作り出してきた文化・社会について、その本質を常に根源から問い直そうという問題意識を共有しています。 科学技術の急速な発展は、物質的な豊かさをもたらす一方で、種々の社会問題・環境問題等の引き金にもなっています。新たな知の創造に際しても、「人間とは何か」「幸福とは何か」といった根源的な問いかけを忘れてはならないのです。 未曾有の大震災から2年、この間に政権も交代し、山積する喫緊の課題について、異なる立場からの異なる主張が、種々のメディアを通じてさかんに発信されています。判断材料を積極的に収集し、批判的に取捨選択し、緻密な論理と冷静な判断で自己表明のできる人材が、今ほど求められている時代はないでしょう。目先の利害や、時の権力などとは無縁に、真理に向かって突き進む文学部の出番です。 どうか、ここで言語感覚を研ぎ澄まし、健全な批判精神を培ってください。そして、自由に探究する喜びを分かち合いましょう。ようこそ教育と大学モラトリアムの世界へ吉本 圭一よ し も と け い い ち|専門分野|教育社会学教育学部長鋭い言語感覚と健全な批判精神を髙山 倫明た か や ま み ち あ き|専門分野|日本語学文学部長学部長からのメッセージ(平成25年4月1日就任)平成25年度Kyushu University Campus Magazine_2013.3 3

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