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敢えて賢明であれ法学部長新入生への期待経済学部長一緒に科学を楽しみましょう理学部長 新入生の皆さん、九州大学へのご入学おめでとうございます。理学部を選択していただいた皆さんとともに勉強、実験、研究をできることを大変嬉しく思います。 理学部は物理学、化学、地球惑星科学、数学、生物学の5学科からなり、創設以来ここで自然科学を勉強した20000名近くの卒業生が、産学官の多様なところで活躍しています。また基礎科学の教育研究の中核の一つとして九州大学はもとより、国の内外で大きな役割を果たしてきました。これからも先生方、諸先輩、そして皆さんの知的好奇心によって、新たに自然の普遍原理が明らかとなり、それがいずれは人間社会の幸福に資することであると信じます。 理学部では、科学の基礎をしっかり勉強して自然を正しく理解し、いま目の前にある科学や科学技術の問題を解決するばかりではなく、その先にある未知の問題を自ら発掘して解決していく姿勢を大事にしています。まずは自然をよくよく観察・観測し、物事を論理的に考える姿勢を身につけましょう。数年後には、それぞれの専門分野の第一線で活躍している教授陣や日々研究に頑張っている先輩達と、一緒に科学に没頭できる日を楽しみにして、充実した学生生活を過ごされることを期待しています。 新入生の皆さん、九州大学経済学部への入学おめでとうございます。経済学部教授会を代表してお祝いと歓迎の言葉を申し述べます。 世界と日本の現状を理解し、将来を洞察するためには経済に関する知識修得が必須です。そのためには歴史的変動についての学習もまた重要です。それらを踏まえてこそ、地球環境問題、人口問題、経済問題などの世界と日本が直面する課題にどう立ち向かえばよいか、自ら考えることができます。経済学部のカリキュラムは皆さんが考える力を身につけるために構成されていますので、是非ともその力を高めるための勉学を実践してください。 勉学以外の生活も重要です。ヒトは一人では生きていけません。クラスやサークル、そして1〜4年の各学年に配置されている演習(セミナー)での活動を通じて友人を作り、大学及びその後の生活を豊かにすべく心がけてください。そのためには、自分の考えを明快に語るだけでなく、相手の語る言葉を理解し共感するコミュニケーション能力を養うことが必要ですし、批判精神も必要です。この広い意味でのコミュニケーション能力は行動に裏打ちされることも認識していただきたいと思います。荒殿 誠あ ら と の まこと|専門分野|界面物理化学山本 健兒や ま も と け ん じ|専門分野|経済地理 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 古くから「社会あるところに法あり」と言われているように、法は私たちの社会生活にとって不可欠の社会秩序・社会規範です。法学部はこの「法」をさまざまな角度から学習するところです。その中心をなすのは、いうまでもなく、憲法、行政法、刑法、民法、商法、国際法、刑事訴訟法、民事訴訟法などのいわゆる実定法について、その条文や判例や学説などを学習すること(実定法学)です。その他に、法の理論や歴史などに関する学問(基礎法学)もあります。また、政治の理論や動態に関する学問(政治学)も、政治が立法や政策形成・実施に深く関わるところから、わが国では古くから法学部で教えられています。 いずれにしても、社会的諸問題に関心をもち、批判的・創造的に分析し、その改善・解決の方途を模索し見出していく努力が必要です。ドイツの哲学者カントは「啓蒙とは何か」という著作で、そのモットーを「敢えて賢明であれ」(sapere aude)という言葉で表現しています。啓蒙とは自分たちの未成年状態を脱することだが、それは社会的な問題について自らの理性をもって議論し判断する勇気をもつことだというのです。この言葉を皆さんにもお贈りしたいと思います。酒匂 一郎さ こ う い ち ろ う|専門分野|法哲学学部長からのメッセージ4 Kyushu University Campus Magazine_2013.3

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