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▲ドイツのヘレウス社との契約締結いです。上に立つ人ほどそれを理解して、常に全体ベストは何かを考え、判断を下す能力が必要になります。その意味で、理系の緻密さと人文科学を兼ね備えた人材が求められています。ー近年、急速にグローバル化が進んでいます。今、社会で働く上で求められることは何ですか。田中 リーマンショック以降、世界の価値観は激変しており、環境・エネルギー・食料・水・健康・医療・運輸・ITなどの分野で新たな産業が勃興してきています。また、触媒技術などを使い、社会のニーズに応え、新しい素材を生み出すことのできる化学産業が注目されています。これから、新素材を創り出す主役は化学産業になるでしょう。一方で、社会は「アラブの春」に始まった中東・アフリカの混乱、イラク、北朝鮮など、国際問題を解決できておらず、世の中全体が混沌としています。これは、冷戦時代の米ソのような世界的リーダーの不在が原因です。このような時代こそ、個人個人が、周りの意見に左右されない自分自身のしっかりとした価値観を持って、自分の目で物事を判断していくことが大切だと考えています。自分で考え、何かを変えよう、前進させようとする努力が人間を大きく成長させてくれるのではないでしょうか。予測できない変化が続くなかでは、自分の確たる価値観を持ち、冷静に世の中を見ることができる人材が求められると思います。ところで、グローバル化で言えば、当社の売り上げの42%は海外です。社員数も、ヘルスケア事業を中心とした買収などにより、グループ全体1万3000名の内、海外の社員はもうすぐ4600名に至り大幅に拡大します。海外への投資も全体の70%を占めるなど、三井化学も急速にグローバル化を推進させています。皆さんもぜひ海外で活躍してください。ー最後に九州大学の学生にメッセージをお願いします。田中 変化の時はチャンスの時でもあります。世界の価値観が大きく変化している今、次代を担う皆さんの責任は重いと思いますが、逆に、無限の可能性も広がっていると思います。当社のコアバリューは、「高い志を持った野武士のような“Challenge”、個性を尊重した“Diversity”、一致団結の“OneTeam”」です。ぜひ、九州大学の皆さんにも、高い志を持った野武士のように、自分の矜持を失わず、立派な社会人になっていただきたいと思います。そのために、社会への関心を忘れずに、遊びも含めて、人文科学の世界を大いに学んでほしいですね。今こそ、質実剛健を旨とする九大生の出番の時です。大いに議論を交わし、理論を鍛え、来るべき大海原での活躍に備えてください。期待しています。インタビュー/田中稔一リーマンショック以降、世界の価値観は激変している。予測できない変化が続く時代においては、確固たる信念を持ち、冷静に世の中を見ることが大事。「質実剛健」を旨とする九大生の活躍に期待6 Kyushu University Campus Magazine_2013.5確固たる信念を持って、冷静に世の中を見ることが必要

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