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本学理学部では、平成21年度から3年間続いた(独)科学技術振興機構(JST)の「未来の科学者養成講座」の後、平成24年度からは同機構後続事業の「次世代科学者育成講座」並びに大学の支援の下、理学部の主体的取り組みとして標記プロジェクトを継続実施しています。主として名誉教授を講師とし、学生のティーチング・アシスタント(TA)による手厚いサポートで、意欲ある高校生に大学レベルの授業を少人数セミナー形式で行う試みです。今年度も九州地域の応募者から20名の生徒が受講生として選ばれ、平成25年8月17日(土)に開講式と公開講演会などを本学箱崎キャンパスで実施しました。 開講式では、荒殿誠理学部長の挨拶があり、若い人による予想外の実験結果が新しい研究分野を拓くきっかけになったというご自身の経験や、自然界が単純で美しい式で理解できることに感動をおぼえたことなどが披露され、受講生に自然科学の魅力を伝えました。 引き続いて開催された公開講演会では、日本大学の青柳美輝准教授による講演がありました。複素数と空間座標とを対応させることで興味深い結果が引き出せることを受講生と一緒に考えていくというお話でしたが、受講生の半数近くを占める高校1年生はまだ学校で複素数を学んでいないことが判明し、急遽、同席していた何人ものTAが出てきて理解の手助けをしました。9月から始まる少人数セミナーを先取りしたような、活気ある講演会となりました。 講演会の後には、本プロジェクトで数学を担当している辻井正人教授の司会による「意見交換会」が行われました。 本プロジェクトは、自然科学に興味を持つ高校生に深い思考力とチャレンジ精神を身につけてもらうことを目的として開催しているもので、少人数セミナーは来年3月まで月に2度の頻度で開催します。また、今回を含めて4回の公開講演会を開催し、こちらは一般参加も受け付けます。KYUDAI NEWSエクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト「いとゴンカード」のデザインを紹介する有川総長と松本市長開講式で受講生を前に挨拶する荒殿理学部長※VRICSはvalue and right circulation control systemの略で、文部科学省の「地域イノベーション戦略支援プログラム(管理法人:(財)福岡県産業・科学技術振興財団)」の成果です。※ 本学と糸島市は、総務省のICT街づくり推進事業「ICTを活用した見守りの街糸島」の実施に際して、平成25年8月26日(月)に共同記者発表を行いました。 この事業は、災害に強く、高齢者や子ども、女性に優しい街づくりを目的として、糸島市に本学の情報技術を活用した住民見守りシステムを構築し、安心・安全で便利な生活環境を構築しようとするものです。 記者発表では、有川節夫総長と松本嶺男糸島市長から本事業の目的や特色等について、大学と行政の立場から挨拶があるとともに、本事業で使用するICカード「いとゴンカード」が紹介されました。 本事業は、九州大学、北九州工業高等専門学校、財団法人福岡県産業・科学技術振興財団、公益財団法人九州大学学術研究都市推進機構、株式会社三好不動産がコンソーシアムを構成、九州大学発の情報基盤技術VRICSを情報基盤に採用した見守りサービスシステムを糸島市に導入し、平常時は高齢者、子どもの見守り、買物難民向け御用聞きサービス、スマートコミュニティバスサービス、防災訓練、災害時は住民の安否確認、子どもの引き渡し、避難誘導などに活用します。ICカードは、子どもや高齢者、女性を中心に希望する市民約25000人への配布が予定されています。 本事業は将来の国民番号制の環境活用を考慮したもので、将来的には市全体への普及と同様な課題を有する他地域への展開も目指しています。総務省ICT街づくり推進事業「ICTを活用した見守りの街糸島」がスタート18  Kyushu University Campus Magazine_2013.9

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