http://www.kyushu-u.ac.jp-kyudaikoho_92
19/40

■九州大学の関連WEBサイトへGo九州大学 薬学http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/←←小嶋ちなみさん DATA日向学院高等学校(宮崎県)九州大学 薬学部 創薬科学科九州大学 大学院薬学府 創薬科学専攻 修士課程memoグリアは神経障害性疼痛だけでなく、他の神経疾患モデルにおいても活性化しており、その病態における重要な役割に、世界的な注目が集まっています。本研究で目指すMafB発現制御機構の解明は、ミクログリアの活性化メカニズムの解明につながり、神経障害性疼痛などの神経疾患に対する有望な創薬ターゲットとなり得る可能性も期待できると考えています」 小嶋さんが薬学の分野に進んだのは、家族の病気がきっかけでした。 「兄が幼少の頃病気をして、薬の副作用で苦しむ姿を見てきたので、薬学には小さな頃から興味を持っていました。医者という選択肢もあったと思いますが、医者は一度に救える患者さんの数に限界があります。でも、薬であれば一度に多くの人を救うことができる。そう考えて薬学の道を志しました」 修士過程を修了後、小嶋さんは製薬会社の研究者として、より臨床に近い場所で研究を始めます。 「誰もやったことがない未知の世界の研究は、うまくいかないことばかりです。でも必ず真実はあるし、そこに辿り着いたときの喜びは言葉で言い表せないほど大きい。そこが研究者の醍醐味ですね」と語る小嶋さん。 いつか自分が創った薬で社会に貢献したいという夢を叶えるために、若き研究者はこれから歩み続けます。小嶋さんは、小学校の頃にバレーボールを始め、中学・高校時代のポジションはアタッカーだったとのこと。体を動かすことが好きだといいます。研究の息抜きはショッピングや旅行。友人と年に1回は旅行に行くと決めているそうです。モチベーション維持のために、メリハリのある生活を心がけています。※1 ミクログリア…中枢神経系のグリア細胞の一つ※2 転写因子…遺伝子の転写を制御する因子のこと※3 mRNA…伝令(メッセンジャー)RNA。DNAが持つ遺伝情報をリボゾームに伝達するリボ核酸。DNAの塩基配列を鋳型として合成される。薬の副作用に苦しむ家族の姿を見て薬学の道を志す。 世の中に役立つ薬を創って、社会に貢献してほしい。薬学研究院井上 和秀いのうえ かずひで教授指導教員より 私の研究室は、薬理の分野で世界トップレベルの研究をしているという自負があります。ですから、学生の皆さんにとっては壁が高い研究室かもしれません。学部4年生で研究室に配属されますが、配属後はまず、私のラボで使っている技術の習得をさせます。彼女はそれにも果敢に挑戦していましたね。コミュニケーションの取り方も上手で、先生や先輩たちから上手に指導を受けていたと思います。また学部時代の成績がトップで入ってきた彼女は、難易度の高い要求も簡単にクリアしていくところがあります。私の研究室では遺伝子から行動まで全部見るので広範囲の知識と実験技術が必要ですが、彼女は一通りやれるようになりました。視野が広い上にそれらを実験系に反映できるので、企業でも即戦力として活躍できるでしょう。これからは一つでも多く、世の中に役立つ薬を創って社会に貢献してほしいですね。さらに、研究者としての活躍を期待しています。修士1年生の時の夏の講座旅行で研究室の仲間と。場所は霧島神宮18  Kyushu University Campus Magazine_2014.3

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です