http://www.kyushu-u.ac.jp-kyudaikoho_92
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 ベレア大学は、ケンタッキー州の田舎町にある、小さなリベラルアーツ・カレッジで、とてもユニークな大学です。 まず、クオリティの高い、様々なタイプの授業があります。私は農学を学びに行ったので、土壌学やアメリカ農業の基礎、牧草管理法などを受講しました。授業では多くの課題が出されるため、学生は一生懸命勉強します。私も毎日寝る間を惜しんで勉強しました。1日で100ページの読書課題が出された時などは友達と死に物狂いで徹夜しましたが、今ではいい思い出です。 ベレア大学は留学生が多いため、サポートがしっかりしています。英語や異文化に慣れるため、交換留学について詳しく知りたい方は、「九大生のための海外留学情報」(http://www.isc.kyushu-u.ac.jp/intlweb/study/)をご覧ください。過去の交換留学生による報告書も大学毎にたくさん掲載しています。 ベレア大学は、ケンタッキー州ベレアに1855年に創立されたリベラルアーツ・カレッジで、「God has made of one blood all peoples of the earth (神は地球上のすべての人々を1滴の血液から創造した)」というモットーを掲げています。南部アメリカで初めて人種・性別に関係なく入学を認めた大学として有名です。授業料が無料で、経済的な理由などから大学に行けない優秀な学生をアメリカ国内のみならず世界中から受け入れています。28の専攻と、50の学生団体があります。学生は基本的にキャンパス内の寮に住み、週に10時間キャンパス内での労働義務があります。労働内容は130分野から選べ、将来のキャリアにつなげることができます。また、アパラチア地域にある大学としてその地に根ざした教育も行っており、アパラチア地域における未来のリーダーを育成することを目標の一つとしています。 2011年にはWashington MonthlyでアメリカのNo.1リベラルアーツ・カレッジにランクインしました。卒業生に2002年ノーベル化学賞受賞のJohn Fenn、米国商務長官Juanita M. Krepsらを輩出しています。大学の特色留学生はアメリカ人学生と同室の寮に住みます。また、1年生のうちにESL(英語の授業)を受講し、英語でのプレゼンテーションの方法や、レポートの書き方などを徹底的に学びます。私はここで英語力を上げることができたと思います。 もう一つの特色として、学生には週10時間キャンパス内での労働義務が課されます。私は日本語クラスのTAとして働きました。慣れない英語で日本語を教えるのには苦労しましたが、日本を外部から見る良い機会になりましたし、クラスを通してアメリカ人の友達を作ることもできました。 このように学業と労働で忙しい学生を癒やすのが、緑豊かなベレアの町とキャンパスです。美しい花や木々に囲まれて、レンガ造りの校舎と寮があり、キャンパス周辺にはおしゃれな店が並びます。その一つ、BC&Tというカフェは、勉強にいそしむ場所、そして美味しいコーヒーを飲める憩いの場所として私のお気に入りでした。 こうして私の留学生活は、忙しくも穏やかに過ぎていきました。アメリカ南部地域特有の穏やかな雰囲気の中で、思いきり勉強したり、働いたり、友達と話をしたり、かけがえのない体験をしました。九大生が案内する世界のキャンパス英語の授業でプレゼンテーション土壌学の授業で山の土壌調査ベレア大学の看板にて写真撮影(右から2番目が筆者)農学部の校舎ベレア大学農学部 4年 中村友香(なかむら ともか)留学先大学(アメリカ)22  Kyushu University Campus Magazine_2014.3

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