九大広報Vol.93

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九大広報Vol.93

――コロラド州立大学に行かれて、研究以外のことで何か感じたことはありますか。山本:普段は1日実験に没頭して、夜はSkypeやメールで九州大学の学生とのやりとりをする二重生活でしたが、週末にはスキーに行ったり、サイクリングに行ったりしました。勉強にもなったし、楽しいこともたくさんありました。感じたことと言えば、向こうでは、自分の大学のTシャツを着ている学生が多かったことです。研究と遊びの両方に没頭して、自分に自信を持っているように思えました。こちらでは、九州大学のTシャツを着ている学生ってほとんどいませんが、「九州大学と言えばこれだよ」というものがあればいいなと感じました。大学として、みんなでもっと成果を上げていけば、九州大学のTシャツを着る学生も増えてくるのかな、と思いますね。観測のニーズにあったエンジンを作っていきたい。――実際にプラズマエンジンを作製されているのですか。山本:はい、作っていますよ。ただ、いいものを作れば使ってもらえるわけではなくて、衛星を打ち上げる側のニーズにいかに応えられるかが大切になります。プラズマエンジンが商用衛星に使用される頻度が増えた今、ベンチャー企業の参加がますます盛んになっていくことに期待をしていますし、それだけ多様なニーズも生まれてくると思います。――具体的にはニーズによってどのようなエンジンの作り分けが必要となるのでしょうか。山本:たとえば観測する高度が地表から200キロ地点なのか、400キロ地点なのかでエンジンが必要とする推力は全く違ってきます。高度200キロ地点では、まだ大気がわずかに残っているので、その抵抗を受けることになり、エンジンに求められる推力は大きくなるのです。衛星を打ち上げる側が何を観測したいのか、そのニーズによって、エンジンを作る側の目標も変わってくるわけです。ですから、いかにニーズの先読みができるかがプラズマエンジンの研究・開発の鍵となります。筑紫キャンパスの横のつながりに感謝。――山本先生は平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞されていますが、受賞の対象となったのもロケットエンジンの研究ですか。山本:はい、小型イオンエンジンの2134?研究について熱く語る山本准教授。九州大学に来て約9年、ところどころに混じる関西弁が親しみを増します。?未来のエンジニアたちが学ぶ研究室?並木の緑が美しい筑紫キャンパス?山本准教授のお気に入りであるトイレ内の生花。「清掃のパートをされていた岡崎さんという方が始めてくださって、今も受け継がれています」KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.05 09