九大広報Vol.93

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九大広報Vol.93

研究に対していただきました。でも、受賞は、決して私ひとりの成果ではありません。学生の皆さんの積み重ねでもあり、機会をくださった中島秀紀先生のサポート、実験器具をご提供いただいた方々など、本当に周りのみなさんのおかげなのです。特に受賞したエンジンを作るにあたっては、技術職員の方々との打ち合わせの中でたくさんの提案をいただきました。そして、もう時間がないという時には、徹夜で作製にあたっていただきました。――恵まれた環境あっての受賞ということですね。山本:はい。それともう一つの恵まれた環境として、筑紫キャンパスの研究環境もあると思います。エンジン内部のプラズマの状態を知りたいと思ったときも、別の先生から、「一緒にやろうよ」と声をかけていただきました。そのような横のつながりが、受賞できた大きな要因だと思います。本当に、この筑紫キャンパスの研究環境は、私にとってはありがたい環境だと思っています。――ほかにも筑紫キャンパスについて思っていらっしゃることはありますか。山本:一つはアクセスの良さですね。空港から20分、博多駅からも10分ですから、外国の先生が来日した際も「ぜひ寄ってください」と言いやすい。実際に昨年の春に、ヤリン先生が横浜に学会でこられたので、ついでに筑紫キャンパスに来てもらいました。それと、清掃のパートの方がトイレにきれいな生花を飾ってくださるのですが、それを見るだけですごく心が和みます。そのような何気ない心遣いを、とてもうれしく思いますね。失敗を共有して次につなげることが大事。――研究を進める上で一番大事にされていることは何ですか。山本:失敗を失敗と感じないことですね。失敗から得られることは多いですし、失敗したことをみんなで共有して、次につなげていくことが大事だと思います。「こうやったら失敗する」ということがわかれば、それを有効活用すれば良いわけですし、やらないことには失敗もしませんから、まずは「やろう」と踏み出すことが大事です。とはいえ、高価な機械が壊れてしまうのは悲しいですけどね。――実験の失敗で壊れてしまうこともあるのですね。山本:はい。壊れてしまうのは仕方ないことなので、悲しい思いも共有して、壊した原因を次につなげてくれればいいのです。物を大切にする気持ちもエンジニアにとっては大事なことですし、次は壊さないようにしようとすれば、観察力にもつながっていきますからね。学生が怪我さえしなければいいと思っています。――それでは、最後に在学生のみなさんに山本先生からのメッセージをお願いします。山本:大学や大学院にいる以上は、いろいろなことに挑戦してほしいですね。挑戦にはリスクが伴いますが、逆にやらないリスクというのもあると思います。想像力を働かせて、命にかかわらないことならやってみることです。想像力は、人にとってとても大切なもの。想像力を磨いて「やってみると、こういうことが起こるはず。だったらやってみよう」という考えを持ってほしいです。そして、自分自身が満足いく成果を出してくれたら、「九州大学に行って良かった」と思えるはずです。それは何も大きな話である必要はありません。毎日、真面目に講義に出たとか、源氏物語を読破したとか、そんなことでも構わないので、「大学生活を満喫した」と堂々と言える人になってほしいです。▲鈴木孝彦准教授(左)と山本直嗣准教授KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.0510