九大広報Vol.93

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九大広報Vol.93

【聞き手(左)】折田悦郎(おりたえつろう)大学文書館教授・大学史資料室長人文科学研究院教授SERIES KYUDAIJIN人になって、大統領からもお礼の手紙をいただきましたよ。1980年には教育文化勲章のパルム・アカデミック勲章もいただきましたが、二度に渡る授章は、日仏のたくさんの方々のおかげだと思っていますし、みなさんにとても感謝しております。九州大学百年の歴史を大切にしてほしい。――日本医史学会の功労会員もされていて、この6月には医史学会を太宰府で開催されるそうですね。小林:医史学会は日本医学会の分科会の中では最も古い学会で、今年で115回を数えます。ウォルフガング・ミヒェル会長のもとで開催されます。準備はほぼ終わりましたが、これを機会に多くの人に参加をして頂きたいと思っています。九州大学医学部百年の歴史の中には多くの貴重な歴史的資料がありますし、今「医学歴史館」を病院キャンパス内に建設中で、ここに資料を展示したいと考えております。これには他学部の資料も共通の財産として発展させたいと念願しています。――今もございましたように、九州大学の医学歴史館の創設にも関わっていらっしゃいますが。小林:私たちが学んだ木造の威厳のある校舎が取り壊されてしまいました。明治36年に最初にできた解剖学講堂は、あれだけでも保存したいと思って、何とか中央講堂の横に移転できるようになったのです。でも、それをまた撤去することになってしまい、奮起しました。百年もの歴史がありながら、移転をするたびに大事なものが失われていくのは、悲しいことです。百年もの歴史をもっと大切にしてほしいですね。――最後に、九州大学で学ぶ在学生、医学生にメッセージをお願いします。小林:一番望むのは、視野の広い人間になってほしいということです。ただ、私が学んでいた時代と違って、今の医学生は新しい医療、新しい技術に追いかけられているのが現状で「それどころじゃないよ」と言うかもしれませんが、医療はどんな時代も1対1、人対人なのです。医療人として人と接するために、ぜひ自分自身の視野を広げていってください。▲編纂に3年をかけた「仏日・日仏整形外科学用語集」▲1961年、リヨン大学の整形災害外科病棟にて(前列左端が小林先生)▲リヨン留学時に学んだ19 6 0年頃のエドゥアール・エリオ病院▲フランス・オーベルニュにあった下宿先のおじいさんの家▼フランスの最高勲章とされるレジオン・ドヌール勲章1▼980年に受章したパルム・アカデミック勲章九大人KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.0506