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概要

九大広報Vol.95

1115中東・イラクの研究を始めた2つのきっかけ。――先生は国際政治、特にイラクの研究をされているそうですが、まずは研究の内容について説明していただけますか。山尾:私は、中東諸国、なかでもイラクを、いわゆる地域研究(エリア・スタディーズ)の方法を使って分析する研究をしています。中東というと、戦争やテロ、過激なイスラム主義などをイメージする人が大半ですが、私が専門とするのもそうした問題です。西洋が中心となって作り出した国際社会の規範には合わない厄介な問題ばかりなので、政治学や国際関係論の理論では、なかなか分析できないのです。そこで有効になるのが、地域研究という方法です。簡単に言うと、対象とする地域(どこかの村でも、国でも、いくつかの国が集まった地域でもいいのですが)を、政治や社会、文化や歴史をふくめてトータルに理解する研究です。中東の戦争やテロ、過激な宗教運動は、政治だけではなく、その背景にある社会や文化、歴史をふまえて理解することが有効だと思っています。――地域研究にはどのようなスタンスが必要なのでしょうか。山尾:企業の駐在員やメディア関係者のようにある国に長期間住ん「フロントランナー」は、九州大学の研究の最前線をインタビューで紹介するシリーズです。今回は、比較社会文化研究院の山尾大講師に歯学研究院の都留寛治准教授がお話を伺います。独自の視点=物差しを持って、イラク・中東地域をトータルに理解する。山尾 大Dai Yamao比較社会文化研究院 社会情報学部門 講師2005年 大阪外国語大学 外国語学部地域文化学科卒業2010年 京都大学 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了2010年~ 九州大学 大学院比較社会文化研究院 講師【聞き手】歯学研究院都留 寛治 准教授シリーズ研究vol.46KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.09 09