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概要

九大広報Vol.95

知識と実践の融合? フィールドを活かした体験型農業教育と農学研究 ?農場の教育 農学部附属農場は、農学に関する教育と研究を目的として、農学部の設立決定から2年後の大正10年に福岡県糟屋郡仲原村(現:粕屋町)に設置されました。現在は、原町農場(作物部門・園芸部門〈蔬菜・花卉研究室〉・畜産部門/糟屋郡粕屋町/ 24 ha)、篠栗農場(園芸部門〈果樹研究室〉/糟屋郡篠栗町/8 ha)、高原農業実験実習場(動物生産部門/大分県竹田市久住町/ 78 ha)からなり、国際コースの留学生を含む学部生に対し、講義で学ぶ農学理論がどのように生産技術に結びついているのか実感できるよう、作物栽培や家畜飼養などに関する実習教育を行っています。  また、全学部の1、2年や他大学(福岡西部地区五大学連携や早稲田大学など)の学生を対象とした基幹教育科目(総合科目)「体験的農業生産学入門」「フィールド科学研究入門/高原農業実験実習場」、一般市民を対象とした公開講座「農業生産を体験しよう」、高校生のための農学部体験授業「農学入門(ダイズの科学)」「フィールド畜産学及び実習/高原農業実験実習場」などを開講し、実習や実験を通して食糧問題や環境問題について考える機会を提供しています。農場の研究 農場の教員は、農業生産生態学分野または家畜生産生態学分野に所属し、学部生や大学院生、技術職員とともに作物、園芸、畜産に関する実践的なテーマについて研究を進めています。作物部門と畜産部門は共同で、我が国で最もバイオマス生産量の大きい飼料イネ品種を育成しており、農場の乳牛のエサとして実際に給餌してその栄養価と嗜好性について解析し、品種登録とその普及を目指しています。園芸部門では、未利用遺伝資源を用いたアスパラガスやレンコンの品種改良、三倍体無核ブドウやカンキツ台木の育種などに取り組み、動物生産部門では、草資源を利用した安全で良質な牛肉生産システムの構築や、荒廃した樹園跡地の黒毛和牛放牧による保全的利用を目指した研究を行っています。さらには農学部や他学部の教員、学生が広大な圃場と施設を利用して、基礎から応用までの幅広い研究に取り組んでいます。大学ブランドグッズの開発 これらの研究に関連して、これまでに「QBeef」(動物生産部門)や「はかた地どりのブルスト」(畜産部門)など新規農・畜産物を大学ブランドグッズとして開発しており、今後も高糖度で種のないブドウ新品種「BKシードレス」(園芸部門(果樹))などのブランド化を目指しています。「QBeef」では濃厚飼料への依存度を減らして牧草で良質な牛肉を生産、「はかた地どりのブルスト」では添加物の無いソーセージを製造、「BKシードレス」(その中の高品質果実は「みつしずく」といいます)では栽培のた321コンバインによる稲刈りBKシードレスそさいか き農学部附属農場クローズアップ … 2農学部附属農場 研究部長 望月 俊宏KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.09 25