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概要

九大広報Vol.96

JAXA若田光一宇宙飛行士九州大学へ帰還。 平成26年8月9日(土)、本学の卒業生であり、約6カ月間に亘って国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したJAXA(宇宙航空研究開発機構)若田光一宇宙飛行士が訪問され、JAXAの協力を得て伊都キャンパスの椎木講堂でミニ講演を開いていただきました。 日本人初となるISS船長も務めた若田宇宙飛行士は、ロボットアームを使った作業や日本実験棟「きぼう」での実験の様子などを、実際のビデオ映像と共に解説されました。 若田宇宙飛行士がISS内で行った実験は、マウスや植物、メダカを使った生命科学に関するもの、創薬につながるたんぱく質結晶生成実験、そして宇宙での滞在が人体に与える影響など、何種類にも及びます。また、筋力低下や骨密度の低下を防ぐための有酸素運動や筋力訓練の様子も紹介していただき、無重力状態ならではのユニークな体の動きの映像が流れると、会場は大きな笑い声に包まれました。 ISSが福岡上空を飛ぶ際には「あの辺で飲んだな?とかいろいろな思い出が蘇り、九州大学で6年間を過ごしたときの先生方や友人の顔が浮かんできた」という若田宇宙飛行士は、「このような美しい故郷、そして美しい惑星を与えられたことを、本当にありがたいなと思いました」としみじみと語りました。 また、高性能カメラをはじめ、日本の優れた技術が国際宇宙開発にいかに貢献しているのかにも触れ、「月や火星に行くときも、日本の強みを活かした活躍をしていく必要がある」と言います。 そして、最後には九州大学の在学生に向けて次のようなメッセージを語りました。 「私も九州大学でたくさんのことを学ばせていただきましたが、そのときは宇宙飛行士になれるとは思っていませんでした。飛行機の技術者になりたいと思って実際に航空会社に入り、その延長線に宇宙飛行士という仕事がありました。ひとつの目標に向かって努力をしながら学んだものは、きっと将来の糧になると思います。この九州大学で過ごす一瞬一瞬を大切にして、広く世界にアンテナを張って、目標に向かってがんばってください」。美しい故郷、美しい惑星に感謝。椎木講堂で講演を行う若田光一宇宙飛行士▲本学から提供した宇宙飛行記念品(左)とその証明書。証明書には、ISS内で浮遊する写真とともに若田宇宙飛行士の署名が書かれている。▲ 若田宇宙飛行士から贈呈された写真パネルとJAXAの公式記念飛行品。金文字で書かれているのは「九州大学の皆様へ 若田光一」。18 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.11