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概要

九大広報Vol.96

受賞のお知らせ平成26年 文化勲章文化勲章は、文化の発達に関し特に顕著な功績のある方に授与されます。 國武名誉教授は、本学大学院工学研究科修士課程を修了後、ペンシルバニア大学大学院化学専攻博士課程、カリフォルニア工科大学博士研究員を経て、昭和38年10月に本学工学部助教授に採用、昭和49年4月に教授に昇任し、平成4年4月から平成6年3月まで工学部長を務め、教育・研究・管理運営に携わられました。また、平成11年には本学名誉教授の称号を授与されており、現在は、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(ICNER)のWPI招へい教授でもあります。 國武名誉教授の主な研究業績は、特殊な分子構造を持つ生体脂質によってのみ得られると従来考えられていた生体膜の基本構造である二分子膜組織体について、生体脂質に関連しない人工の物質から安定な二分子膜が形成されることを世界で初めて発見するなど、現代化学の最も重要な領域である分子組織化学を開拓するとともに、新たな分子組織材料の形成手法の開拓に取り組むなど、分子組織化学の発展に多大な貢献をしました。また、最近では長年望まれていた自立性のあるナノ薄膜を初めて実現し、燃料電池の電解質膜や高機能分離膜としての利用が期待されています。平成26年秋 紫綬褒章 紫綬褒章は、科学技術分野における発明・発見や、学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方に授与されます。 井上理事・副学長は、本学大学院薬学研究科修士課程を修了後、厚生省国立衛生試験所勤務を経て、平成17年1月に本学大学院薬学研究院教授に就任しました。また、平成22年4月から平成26年3月まで大学院薬学研究院長、大学院薬学府長および薬学部長を務め、教育・研究・管理運営に携わり、平成26年10月1日から、理事・副学長に就任しています。また、平成21年5月には主幹教授の称号を付与されています。 井上理事・副学長の専門分野は神経薬理学で、生理・薬理学の分野において不明であったATP受容体の生理機能を解明し、またグリア細胞における役割を明確にしたこと、特に神経障害性疼痛発症メカニズムとして脊髄ミクログリアの活性化とそこに発現するATP受容体の寄与を証明したことが特筆すべき功績として評価されたものです。Highly Cited Researchers2014 Highly Cited Researchers(高被引用論文著者)は、世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイター社が、同社の論文動向分析データベースを用いた独自の分析により選出しています。今回は、2002年から2012年の11年間に、各研究分野においてトップ1%の被引用数を持つインパクトの非常に高い論文を一定数以上発表されている研究者が「世界で影響力を持つ科学者」として選ばれました。 地球科学の分野で選出された竹村准教授は、PM2.5をはじめとする大気中の浮遊微粒子エアロゾルの気候影響評価を主な研究テーマとして活発な研究活動を行うとともに、将来の気候変動予測や、自身のWebサイトにおけるエアロゾル週間予測の掲載など、積極的な情報発信も行っています。名誉教授 國武 豊喜理事・副学長 井上 和秀 応用力学研究所 准教授 竹村 俊彦2KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2014.11 19