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概要

九大広報Vol.97

調停と裁判の違いは電話とインターネットの違いと似ている。――先生は調停の研究をされているそうですが、まずは調停そのものについて教えていただけますか。入江:調停は紛争を解決する手続の一種です。一般的に紛争解決手続としてすぐに思いつくのが裁判ですよね。事実を規範に当てはめて、法的三段論法によって結論を出すのが裁判ですが、第三者が客観的に判断を下すのではなく、当事者同士が納得できるように第三者が話し合いを支援するのが調停です。私は、その調停の実務や理論を研究しています。――裁判と調停では、取り扱う事件の違い、出てくる結果の違いなどがあるのでしょうか。入江:裁判という解決手続は、大きな事件から小さな事件まで、いろいろな使い方がありますが、調停も国家レベルの大きな紛争から個人間の小さなトラブルまで、さまざまです。ある小学校では、校内で調停プログラムを作って、子どものケンカを子ども同士で解決する例もあります。私が考えるに、裁判と調停の違いは、電話とインターネットの違いと似ていると思います。「フロントランナー」は、九州大学の研究の最前線をインタビューで紹介するシリーズです。今回は、法学研究院の入江秀晃准教授に基幹教育院の梶原健佑准教授がお話を伺います。日本の調停実務に影響を与える研究を続けたい。【聞き手】基幹教育院梶原 健佑 准教授入江 秀晃H i d e a k i I r i e法学研究院 基礎法学部門 准教授1992年 東京大学 農学部農業工学科卒業1994年 東京大学 大学院農学系研究科修士課程修了1994年 株式会社三菱総合研究所 研究員2002年 法政大学 大学院政治学研究科修士課程修了2011年 東京大学 大学院法学政治学研究科博士課程修了2011年~ 九州大学 大学院法学研究院 准教授2013年 ケネソー州立大学 客員研究員シリーズ研究vol.48KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.01 09