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概要

九大広報Vol.97

ていきたいと思っています。一方、調停研究者は少ないので、それぞれ独りよがりになってしまうと研究分野自体が尻すぼみになってしまいます。信念と謙虚さのバランスを保ちながら、研究に取り組んでいきたいと思っています。――九州大学については、どのような印象をお持ちですか。入江:私はすごく気に入っています。よく考えるいい学生が多いですし、正攻法な取組を堂々とやっている印象があります。教員の方々がそうだからだと思います。フロンティア分野に正攻法で取り組む伝統があると感じます。――私は、ある意味で、東京のメインストリームから地理的な距離があるというのもメリットなのかなと感じているのですが。入江:自由に発言できる面ではそれもあると思いますが、その発言にもきちんと責任感を持っておられる先生方が多いと思います。私も少しでもそうなりたいと思っています。――九州大学の学生に望むことはありますか。入江:読み書き能力というと幼稚な表現になりますが、しっかり論文を読んで、書く力を身につけてほしいですね。たとえば5千字で書く能力ですが、これは訓練をしないと身につかないことですから、時間をかけてやってほしいと思います。九大生としてのプライドはあるでしょうが、流行り廃りではない能力を学生時代にぜひ身につけてほしいですね。もうひとつは、自分にとってアウェイな場所に出かけてほしいです。アウェイな環境でも、少しでも関心を持って出かけていけば、思わぬところで思わぬ人が助けてくれることがありますし、それによって自分が成長する機会に出会うことがあります。――では、最後に学生や若い研究者にメッセージをお願いします。入江:人生にはいろいろな局面がありますが、人生で自分が弱っている時こそ、その後の財産になる経験ができます。自分自身を信じて、自分の運の良さを信じて突き進んで欲しいです。現代調停の理念には「ボイスとチョイス」という言葉があります。自分の声と自分の選択を、自分の中にしっかりと持ってください。研究室の学生から見て、「大人数でも常にツーウェイの講義になるように考えてくださる先生」だそうです。▲聞き手の梶原健佑准教授(左)と共に。12 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.01