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概要

九大広報 Vol.98

基礎的教養個に閉じた学び講義と演習の効果的な相乗効果理論と実践との往還 他者・状況に開かれた学び発想対話型の授業英語による教育学びの転換Conversion of Learning層性、学問を体系化する体系性を念頭に置いて、少人数セミナーや専門教育につながるようなカリキュラムが作られていました。それは基幹教育も同じですが、一番の違いは、教養部時代はセミナーを学部学科ごとに受講していたという点です。 今の学生は、高校時代にすでに理系、文系という方向が決まっていて、異分野交流が生まれる場がほとんどありませんよね。大学の国際化が進むとともに、企業からはグローバル社会で役立つ人材が求められる時代ですから、異文化、異分野の人たちとコラボレーションしながらアイデアを創出する力がとても大事になります。そこで、学部を越えて異分野の人たちが交流し、一緒に考える場を作ろうとしたのが基幹教育セミナーや課題協学科目です。青野:今の丸野先生のお話を受けて、実際に基幹教育を受けてきた学生のみなさんに感想をお聞きしましょう。真部:やはり考える力を育ててもらった実感はあります。高校までと違って、投げかけて終わる先生が多くて「これが大学の学び方なんだ」と感じましたし、自分なりに「学ぶって楽しいことだな」と思いました。消極的な学生は伸びないし、自分が考えて学ぶ学生はどんどん伸びるシステムだと感じました。江頭:私もそう思います。私は課題協学で、苦手な物理をやることになってすごく不安だったのですが、周りの専門の人たちにとても助けられました。客観的に課題の進み具合をチェックするなど、苦手な人なりの役目を担いながら、ひとつの課題をみんなで協力し合って解決に導いていく。それを学ぶことができたのは、とても良い経験だったと思います。中村 孔亮 (なかむら こうすけ)経済学部1年【基幹教育について】 新たな知や技能を創出し、未知なる問題をも解決していく上での幹となる「ものの見方・考え方・学び方」を学ぶ教育が九州大学の基幹教育です。 大学では、自ら問いを立て真理を追究する、自立的な学びが求められます。この学びを学生が修得するには、学問の基礎となる重要な知識や技能を蓄えるだけに終わらせず、既有の知識や経験に照らし合わせながら、「なぜ、どうして?」、「他の可能性はないか?」というように創造的・批判的に吟味・検討することが肝要です。 アクティブな知的好奇心をもって新たな視点から考え直し、世界(「ヒト・モノ・コト」)に挑戦し続けるために、“問う”学び(心構え)を習慣化しなければなりません。これにより積極的かつ主体的に、どのような問題や状況に対しても、怖れることなく、新たな知や可能性を求めてチャレンジする素地を整えるのです。社会の中の新たな問題と出会い鋭敏な問題意識好奇心新たな学問の開拓生涯にわたって学び続けるための強靱な幹を形成していく教科教育骨太のリーダーの育成課題を発見し、解決を導く知知識や感性、ものの見方・考え方の枝葉を伸ばしていく豊かな教養を吸収してしっかりとした根を張る社会の課題10 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.03