ブックタイトル九大広報　Vol.99++

概要

九大広報　Vol.99++

はじめに　平成6年、日本で初めて、全プログラムを英語のみで行う国際コース（法律）の修士課程〝LL・M・プログラム?（Master of Laws）が開設されました。国際経済ビジネス法に重点を置いた本プログラムでは、この分野の主要領域をカバーする科目の履修と修士論文が課され、1年間で修士号を取得できます。これまで52カ国409名の修了生を送り出してきました。　平成27年3月28日（土）・29日（日）には、開設20周年記念行事を開催しました。本学の学生・教職員のほか、27カ国90名余りの同窓生、国内外14名の教職員OB、ドイツやオーストリアの諸大学や東京・福岡の法律事務所からのゲストを合わせ、約200名が参加しました。20年間の歩み・教育プログラムの多様化　修士課程から始まった国際コースは、平成11年には博士課程のLL・D・プログラム（Doctorof Laws）を導入し、15年間で31名が修了しました。修了生は、北海道大学やシンガポール国立大学、欧州委員会や中国商務部、パキスタンの中米外交官など、幅広い分野で活躍しています。平成12年以降は国際協力機構（JICA）と協力して発展途上国の政府職員に対し教育的支援を提供し、平成13年には文部科学省が立ち上げたヤング・リーダーズ・プログラム（YLP）の受入校に指定され、平成22年にはアジア開発銀行との協力も開始しました。修了生の多くが帰国後に大きくキャリアアップしており、モンゴルの天然資源担当大臣や国連担当大使、ベトナム司法省行政長官に就任した方もいます。平成21年には、新しくバイリンガル・プログラム（BiP）を加え、また、タイの最高裁判所事務総局と連携したディプロマプログラムも開始しました。日本人学生の国際教育　本学法学部では、これら20年間の国際教育実践の経験とノウハウを活かし、LL・M・プログラムを組み込んだ学士課程プログラム（Global Vantageプログラム、以下GVプログラム）と新AO入試を本年度からスタートしました。GVプログラム生は、通常の法学部のカリキュラムに加えて、短期の海外派遣や留学を経験しながら英語能力を高めていきます。卒業後はLL・M・プログラムに進学し、グローバル化された現代社会が直面する法律問題に対応できる能力と高度な英語運用能力を身につけ、将来の「グローバルロイヤー」として活躍できる能力を発揮することが期待されます。また、LL・M・は本学に限らず1年間で修了可能なプログラムですが、本学ではいわゆる「長期履修制度」を併用する社会人プログラム（Lifelong Learning）も開設されており、学生の様々なニーズに応える形で柔軟な履修モデルを組むことも可能です。本学法学部は、今後も日本人学生のグローバル人材育成と教育の国際化に貢献していきます。クローズアップ … 2 ―グローバル人材育成と教育の国際化を目指して―国際コース（法律）LL・M・プログラム開設20周年1 2 3 開設20周年記念行事の参加者による集合写真法学府法学研究院　主幹教授　　　　　 プログラムディレクター　河野　俊行　授業の様子24 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.07