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概要

九大広報 Vol.99++

新海征治 特別主幹教授演題「大学では何を学習し、何を実行すべきか?  (一科学者の立場より)」専門は超分子化学・分子認識・機能性高分子。ナノテクノロジー「分子機械」の研究を世界に先駆けて行う。平成16年紫綬褒章。笹月健彦 特別主幹教授演題「免疫システムの多型性と多様性に学ぶ」専門は免疫遺伝学。HLAによる免疫応答の正負の制御機構や免疫疾患を解明した。平成14年紫綬褒章。國武豊喜 名誉教授演題「私にとっての学び(なんで科学者になったの)」専門は分子組織化学。燃料電池の電解質膜などへの応用が期待されるナノ薄膜を初めて実現。平成26年文化勲章。中村哲 特別主幹教授演題「国際貢献とは。干ばつのアフガンに命の水を」本学医学部卒業後、昭和59年からパキスタンやアフガニスタンで医療活動や水利事業を行う。ペシャワール会現地代表。PMS(ピース・ジャパン・メディカル・サービス)総院長。3  「基幹教育」は、大学での学びの基となり幹となる「ものの見方・ 考え方・学び方」を培う九州大学独自の教育システムです。 「基幹教育セミナー」は、20人程度のクラス編成で行うセミナーです。自らの「大学における学び」を他者に説明すること、他者の「大学における学び」に耳を傾けること、「自らの学び」も相対化させ省察することで、変化や多様性の中で生涯に亘って他者の意見に耳を傾け、柔軟に適応しながら自律的に学ぶ<基幹>を育成することを目指しています。クラスは文理混成で全く違う学部学科の学生からなっており、現代社会で常に遭遇する、多様な価値観の混在する集団での活動を体験するものとなっています。基幹教育・基幹教育セミナーて大学で知識を広く身につけ、将来何かを成し遂げるためにその知識を使わないと『学ぶ』ことの意味を持たないということです」 このように、今回の特別主幹教授・名誉教授による授業は、学生としての学びの姿勢や、今後の自分の未来を形作るための多くの示唆を与えるなど、貴重な機会となったようです。今後の展望 基幹教育セミナーは、次のような学修目標を掲げています。(1)一人ひとりが自らの大学における学びについて深く問い、またそれを他者に伝える体験を通じ、大学における学びの意欲を高め、(2)自らの学びが持つ可能性や意義について自分なりの理解に基づく説明ができるようになることを目指し、(3)こうした仲間との対話や自己省察から新たな気づきや疑問を発見する過程を通じて、創造的・批判的に問題に取り組み学んでいく態度を培い、(4)仲間(他者)と学ぶ意義について自分の言葉で説明ができるようになる。 本セミナーを受講した学生は、以上のことを目標に、今回傾聴した講師の話を参考にしながら自らの学びを省察することで、アクティブ・ラーナーとしてどのような学びをするか、どのような行動をするかについて、今後もセミナーを通じて考えていきます。26 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.07