学生による授業評価の結果の概略
以 下は九州大学全学共通教育自己点検・評価資料集(平成11 年11 月)に納められた学生による授業評価のまとめを要約したものです。
平成10 年度前期の最後の授業時間中に実施。
全学共通教育の全科目
1)「授業の出席状況」
「高年次教養科目」と「上級基礎科学科目」以外のほとんどの科目について,50 %以上が欠席無しと回答しています。
箱崎地区及び病院地区で開講されるこの2 つの科目についてみると,「出席が3 分の2 未満」が「高年次教養科目」15 %,「上級基礎科学科目」21 %となっています。六本松地区で開講される科目の出席率がよいのは,多くの授業科目で出欠を点検しているためと考えられます。
2)「授業内容の理解・修得」
授業内容の理解・修得のために「ある程度努力した」又は「かなり努力した」と回答した者が多かった科目(以下同じ)
日 本 語(留学生)
図 学
ロシア語
化学実験
情報処理科目
ドイツ語
学際主題ゼミナール科目84 %
83 %
82 %
70 %
69 %
66 %
63 %物理実験
スペイン語
フランス語
英 語
中 国 語
少人数ゼミナール科目
63 %
62 %
60 %
59 %
58 %
56 %
3)「授業内容に満足した」
学際主題ゼミナール科目
総合科目55 %
54 %ロシア語
地 学52 %
50 %
4)「力がついた」
図学
情報処理科目
中国語42 %
39 %
34 %日 本 語
ドイツ語34 %
30 %
5)「ほとんど努力しなかった」又は「あまり努力しなかった」
生物学講義 47 % 高年次科教養科目 45 % 化学講義 40 %
6)内容について「あまり理解できなかった」又は「ほとんど理解できなかった」
化学講義 54 % 数 学 42 % 物理学講義 36 %
7)「授業内容のテーマを明確にして欲しい」(総合科目は担当する教官の間の連携が十分に取られていないためと考えられます。)
生物学講義 19 % 総合科目 17 %
8)「レベルを上げて内容を豊かにして欲しい」(どちらも履修者の間での能力の差が大きいためと考えられます。)
日 本 語 23 % 情報処理科目 13%
9)「理解できるように説明を工夫して欲しい」
物理学実験
化学講義
数 学49 %
45 %
39 % 物理学講義
情報処理科目31 %
30 %
10)「読み易く板書して欲しい」(全科目では15 %でした。授業担当教官はこの点での努力が一層求められます。)
化学講義 35 % 生物学講義 30 % 数 学 27 %
11)「声が届くようにして欲しい」
化学講義 22 % 学際主題ゼミナール科目
上級基礎科学科目20 %
20 %コア教養科目
平成11 年度前期の学期末の授業時間中に9 のコア教養科目と3の代替専門入門科目(注4)について実施。
1)授業への欠席回数が1 回以下
最高は 「数理と情報」 94 % (欠席回数が4 回以上と回答した者の比率は,「代替専門入門科目」が高い。)
最低は 「文芸と人間」 70 %
2)授業内容を「たいへんよく理解できた」又は「ある程度理解できた」
最高は 「文芸と人間」 63 %
最低は 「人間と文化」 31 %
4)「授業計画(シラバス)を見たことが履修する上での参考になった」
科目ごとに4 〜10 %にすぎませんでした。
5)授業改善で望むこと「休講を少なくして欲しい」が12 %の学生から出されたクラスもありました。
「分かりやすく説明に工夫して欲しい」が25 %を越えたクラス数 25 「授業内容を易しいものにして欲しい」が25 %を越えたクラス数 20 「聞き取り易く声を出して欲しい」が25 %を越えたクラス数 6 「読み取り易いように板書して欲しい」が25 %を越えたクラス数 4 「授業時間通りに授業を始めて欲しい」が30 %を越えたクラス数 16
表1 コア教養科目を履修して修得できたこと
ものの見方や
方法の特徴学問分野の形成 自らの専門分野
との関連教 養 人間と文化
文芸と人間
異文化の理解
歴史の認識
現代の社会と経済
現代の政治と法
現代経済
政治学入門
法学入門
数理と情報
地球と生命
物質の世界31 %
28 %
35 %
40 %
30 %
34 %
19 %
40 %
50 %
33 %
22 %
22 %11 %
4 %
10 %
11 %
6 %
15 %
3 %
11 %
0 %
11 %
9 %
8 %5 %
4 %
5 %
6 %
6 %
7 %
4 %
11 %
5 %
11 %
14 %
19 %62 %
65 %
76 %
60 %
70 %
72 %
53 %
63 %
59 %
62 %
69 %
70 %(注4)代替専門入門科目
コア教養科目の内容が広いため,文系学部の学生を対象に内容の範囲を狭くした専門入門科目で代替するという趣旨で設けられたもの。現在,法学入門,政治学入門,教育学概説,教育心理学概説の4 科目が開講されている。
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大学での学習への適応力の育成を目標とした科目で,退官教官が担当 |
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学問への関心を引き出すことを目標とした科目 |
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まざまな学部の学生が混じって履修する1年間科目 |
1 )履修の意義
「とても履修のしがいがある」
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2)履修して力がついた内容
が最も多い
A 「考えをまとめて発表する力」 36 % B 「文献を読む力」 42 % C 「レポートを作成する力」 38 % 3)授業で自主的な能力が発揮できたか
「かなり発揮できた」
A 17 % B 12 % C 21 %
(この比率が60 %を越えたクラス数) 6 「自主的な能力がほとんど発揮できず,担当教官の
主導のもとで進められた」が50 %を越えたクラス数8 4)履修したことにより「かなり大きな成果を納めることができた」
A 22 % B 24 % C 35 %
(50 %を越えたクラス数) 6 「成果を得ることができなかった」が全くないクラス数 8 5)少人数ゼミナール科目の履修を通して仲間に出会えたか
よく声をかけ聞いてくれる仲間ができた25 % ちょっと声をかけてくれるくれる程度の仲間ができた45 % 仲間ができなかった30 %
2 )「数学理論」の理解について
(理解できなかった理由は「説明のスピードが速すぎる」「内容が難し過ぎた」が多い。)
「これから期末試験の勉強をすれば合格点をとれるくらいに理解できている」29 〜43 % (80 %を越えたクラス数)2 「これから期末試験の勉強をしても合格点が
とれそうもないほど理解できていない」19 〜32 % (80 %前後のクラス数)2 3)「計算力」の修得について
「数理統計」「数理統計」以外
「ある程度身に付いた」7 % 「身につかなかった」64 % (身につかなかった理由は「計算力修得を主眼とする科目ではない」「もっと小テストがあればよかった」「もっと熱心に演習等に取り組むべきであった」など)
「ある程度身に付いた」17 〜22 % 「身につかなかった」35 〜45 % 4)数学の成績評価について
「すでに十分厳格な成績評価が行われている」 36 % 「授業によって,成績評価の基準が違い過ぎる」 20 % 「成績評価の基準をきちんと示して欲しい」 40 % 「理解できていなくても合格判定がでることに疑問を感じる」 6 % 「その他」 5 %
1 )授業に熱心に臨みましたか
「は い」 58 〜80 % 2 )授業を受けることによって語彙力,聞き取る力,話す力,英作文力,英文読解力のうちのどの英語運用能力が伸びましたか
がそれぞれ最も高い。
「英語演習」−英文読解力 40 %強 「英語LL 演習」−聞き取る力 80 数% 「英語表現演習」−聞き取る力 40 %弱 3 )授業のレベルについて
「丁度よい」 70 数% 「レベルをもっと上げて欲しい」という要望がクラスの25 %を越えたクラス数 5 「レベルを下げて欲しい」という要望がクラスの40 %を越えたクラス数 13 4 )英語の授業について
(25 %以上が12 クラス)
「声が聞き取り難い」 10 % (30 %以上が13 クラス)
「授業の準備不足」 15 % (30 %以上が15 クラス)
「教材に興味が持てない」 9 % (10 %以上が4 クラス)
「授業開始が遅れる」 2 % (20 %以上が5 クラス)
「英文和訳に偏る」 3 % (10 %以上が5 クラス)
「休講が多い」 1% 表2 英語の授業時間外の勉強について
十分した ある程度した 必要に応じて 少し不足 不十分 英語演習L1
L2
S1
S2
LL 演習L1
S1
表現演習L1
S1
英会話作文
選択必修英語16 %
19 %
16 %
15 %
7 %
14 %
24 %
20 %
23 %
13 %30 %
36 %
28 %
26 %
24 %
32 %
36 %
32 %
39 %
18 %33 %
33 %
31 %
39 %
45 %
33 %
29 %
34 %
30 %
32 %12 %
9 %
14 %
12 %
15 %
11 %
8 %
11 %
9 %
19 %8 %
3 %
10 %
8 %
9 %
10 %
4 %
4 %
0 %
19 %
1)履修態度
・「熱心に受講した」又は「ほぼ熱心に履修した」・「あまり熱心でなかった」又は「ほとんど熱心でなかった」が20 %を越えたクラス数
ドイツ語
フランス語
中国語63 %
57 %
55 % ロシア語
朝鮮語
スペイン語71 %
66 %
97 %
ドイツ語
フランス語8
2 中国語
スペイン語1
12)予習・復習について
・「十分した」又は「かなりした」
ドイツ語
フランス
中国語30 %
23 %
20 % ロシア語
朝鮮語
スペイン語36 %
13 %
66 %3)授業改善で望むことについて
・「説明を工夫して欲しい」が30 %以上のクラス数・「授業内容を易しくして欲しい」が30 %以上のクラス数
ドイツ語 17 中国語 5 フランス語 1 ・「授業内容をもっと豊かにして欲しい」が30 %以上のクラス数
ドイツ語 8 中国語 2 朝鮮語 1 ・「読み取り易いように板書して欲しい」又は「聞き取り易いように大きな声を出して欲しい」が20 %以上のクラス数は,それぞれ15 と12
ドイツ語 7 中国語 1 4 )履修して良かったと思うこと
(60 %以上が19 クラス)
授業内容に満足した 37 % (50 %以上が12 クラス)
能力が見について良かった 24 % (50 %以上が17 クラス)
授業担当教官の教育熱意を感じた 24 % (30 %以上が13 クラス)
勉学意欲が沸いた 12 %
始めての勉強に満足した 14 % 表3 学生が身についたと思う未修外国語の運用能力
発 音 文 法 語彙力 読解力 聞く力 作文力 会話力 会話力 ドイツ語 I
ドイツ語III
ドイツ語フォーラム
中国語 I
中国語III
教養中国語
フランス語全体
ロシア語全体
朝鮮語全体
スペイン語全体43 %
22 %
4 %
65 %
43 %
66 %
54 %
53 %
42 %
31 %49 %
42 %
13 %
51 %
34 %
55 %
55 %
35 %
22 %
74 %12 %
29 %
14 %
30 %
33 %
26 %
19 %
24 %
7 %
29 %10 %
53 %
25 %
16 %
47 %
8 %
16 %
29 %
14 %
19 %7 %
8 %
8 %
12 %
15 %
13 %
6 %
18 %
2 %
4 %10 %
10 %
1 %
17 %
9 %
23 %
9 %
12 %
2 %
24 %20 %
5 %
3 %
16 %
10 %
10 %
8 %
18 %
5 %
6 %10 %
9 %
54 %
3 %
10 %
2 %
7 %
24 %
31 %
9 %表4 学生が伸ばしたいと思う未修外国語の運用能力
会話力 聞き取り能力 読む力 作文力 ドイツ語
フランス語
中国語
ロシア語
朝鮮語
スペイン語56 %
70 %
76 %
59 %
64 %
63 %10 %
14 %
17 %
24 %
9 %
7 %31 %
23 %
12 %
41 %
25 %
31 %10%
7 %
6%
24 %
5%
9 %