編集後記 キャンパスの秋はいつもより駆け足で走り抜けて行くようである。元岡・桑原地区では、新キャンパス建設 の槌音が一層高く響く今、大学法人化という未知の航海への出発が目前に迫ってきた。研究活動に使える時 間は減少していることが、文部科学省の実態調査によっても明らかとなっている。今日の時の流れを新生の 活力の歓びに繋げたいものである。 (編集委員 前田 稔)
特集インタビュー「世界で活躍する九大人」は如何でしたか?真の社会活動とは何か?真の学術研究とは どんなものなのか?お二人の話は、いま九大で学ぶ皆さんにも大いに参考になると思います。お二人に共通 する部分、それは何よりも今取り組んでいることへの情熱でしょう。情熱は、他者の目を意識したり、第三 者のおざなりな評価からは生まれません。自分はいま何をすべきか?何が出来るのか?を真剣に自問するこ とからしか生まれないのです。 (編集委員 静永 健)
先回の九大広報は、十月一日付けで九州大学と統合した九州芸術工科大学の研究教育の内容やその水準の 高さに関する情報が掲載されており、大変インパクトの高いものであった。今回の広報では、教育版COE に採用された二十一世紀プログラムの紹介が目を引いた。さらに中村 哲氏の社会的活動にも九大人の誇り を感じられた方も多いことだろう。次回も充実した九大広報を送りたいと願っている次第である。 (編集委員 熊谷 秋三)
研究室に泥棒が入り、備品のプロジェクターや大学院生のパソコンが盗まれた。パソコンを盗まれた学生 達は、インターネットオークションに盗品がかけられる可能性に思い至り、パソコンの画面を交代で見張っ た。その読みは見事適中し、数日うちに学生達のパソコンを始めとする大量の盗品がヤフーオークションで 見つかった。ここからが大変であったらしい。「証拠がないと手の打ようがない」と警察でも相手にされな かった。学生達は、身銭を切って自分のパソコンを落札し、警察に持ち込んだ。こうして容疑者の逮捕に至っ た。その後の取り調べで、容疑者は農学研究院のみならず医学研究院、工学研究院の研究室からもパソコン や現金を盗んだことが明らかになった。さらには、三年前から同様の手口で全国二十二の国立大学で盗みを したと自供しているという(十月二十三日付け朝日新聞)。大学には、お金で買えない貴重なデータ(知的資 源)が存在する。九大広報などの広報活動も含めて、大学の知的資源を社会へ適切な形で公開・還元するこ とは、大学の使命である。また、特許等によって知的資源を法的に保護していくことも重要である。それと ともに、大学のセキュリティー管理がいかに大切であるかを今回の事件から思い知った。大学全体としてセ キュリティー管理の問題に真剣に取り組むと共に、移転を予定している新キャンパスでは設計の段階からそ の問題に十分な配慮がなされることを望みたい。 (編集委員 伊東 信) |