馬術部

 私たち馬術部は九州大学附属農場内馬場で活動しています。現在部員は3年生が4人、2年生が4人、1年生が5人です。体育会系の部活にしては少し少ないかもしれませんが、少ない分仲良くまとまって楽しく活動をしています。
 練習についてですが、最初のまだ馬に慣れていないうちは調馬索というロープをつけた馬に乗って練習を行います。指導してくれる上級生がちゃんとロープを持っているので初めてでも安心です。なので、入部してすぐにでも馬に乗ることを楽しめるのです。少し慣れてくると調馬索をはずして自分の力で馬を誘導する、フラットワークという練習法になります。これが部員たちの大抵毎日している練習です。馬を自由自在に操れるようになるために、円を描いたり斜めに走らせたりもします。
 また、馬の走り方には3種類あります。常歩とは馬がゆっくりと走るときの歩行で、スピードは最も遅いです。4本の肢は1肢ずつ順番に運ばれます。騎手がゆっくり数を数えられるほど馬が規則正しく歩くのが常歩で、全ての歩行の基本です。速歩とは人間で言えば軽いジョギングにあたる歩行です。斜めに向かい合った2肢(例えば右前肢と左後肢)が1組となって一緒に動き、それが交互にくりかえされます。スピードと疲労の兼ね合いから言うと馬にとって最も経済的な歩行です。駈歩とは馬が跳躍するように走って、4肢が宙に浮く瞬間があるくらいスピードがでる歩行をいいます。馬の疲労度も大きく、それほど長い時間駈歩をつづけることはできません。
 試合についてですが、馬術には主に、馬場馬術・障害馬術・総合馬術という競技があります。馬場馬術というのは馬をどれだけ美しく動かすことができるかを競う競技で、障害馬術はいくつかの障害を決められた順番にいかに正確にすばやく飛越できるかを競う競技です。総合馬術は、このふたつをあわせたものにさらに、屋外の森を走ったり、丸太を飛び越えたり、坂を駆け上がったりする耐久という競技をあわせて総得点を競う競技です。この中で私たちは特に障害馬術に力をいれています。また、障害馬術には障害の高さごとに競技がわかれているので、下級生でも低いレベルの競技に参加することができます。最初は少し怖いかもしれませんが、障害を飛ぶときの心地よさは本当に最高です!また、わが部は毎年のように全日本学生馬術大会に出場しています。
 このように、本当に馬の世界は奥が深いです。そしてほかの体育会系の部活との大きな違いが「生き物を扱う」ということです。そのため私たちは練習以外にも馬たちの世話をしています。最初はわからないところだらけで戸惑いますが、世話をしているうちにどんどん馬たちに愛着がわいてきます。上級生になると、自分の担当の馬ができてその馬の体調管理まで自分たちで行わなければなりませんが、自分で馬を調整して試合にでるというのはとても達成感のあることです。きっと大学生活の中でこんなに成長できる場面はないと思います。さらに馬術というと少し高級なイメージがありますが、部活ならほかの部とあまり費用は変わりません。
 みなさんも私たちと一緒にすてきな大学生活の思い出を作ってみませんか?

    理学部生物学科1年 馬術部 主務 畑 芙容(はた まひろ)


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