W 新たなステップを迎える学術研究都市構想

 九州大学の新キャンパスを中心とした学術研究都市づくりを目的として、産官学が一体となった九州大学学術研究都市推進協議会が設立されたのが平成十年五月。その後、構想の策定、首都圏在住のオピニオンリーダーからなる東京会議の設立などを経て、平成十六年十月、構想の推進母体となる(財)九州大学学術研究都市推進機構が設立されました。

(財)九州大学学術研究都市推進機構の設立

企画部長 大槻 秀明

設立理事会で挨拶する
石川敬一 推進機構会長
 九州大学が進めている福岡市西区元岡・桑原地区への統合移転計画に伴い、九州大学をはじめ、福岡県、福岡市などの関係自治体、経済界などを中心に、学術研究都市構想並びに推進機構設立が進められてきましたが、平成十六年十月一日に福岡県知事の許可を受けて、本構想の推進母体となる財団法人九州大学学術研究都市推進機構(会長:石川敬一 株式会社九電工会長)が設立されました。この推進機構は、九州大学新キャンパス統合移転計画の進行に伴って、同地域を学術研究都市構想で支援していこうというものです。福岡県、福岡市、(社)九州・山口経済連合会のほか、隣接する前原市、志摩町、二丈町などの出資等で設立されました。今後、九州大学を中心とする同地域の研究機関立地支援や、産官学の共同研究による研究開発支援事業などを行い、分散型地域核開発の具体的開発手法等の検討、タウン・オン・キャンパス地区(学内・学外)の民有施設や産官学連携施設等の誘致などを図っていくこととなっています。

推進機構設立を決めた推進協議会総会で挨拶する鎌田会長
(平成16 年9 月27 日)
 九州大学は、大学院重点化及び学府・研究院制度を取り入れ、新キャンパスへの統合移転を契機に、世界的レベルの研究・教育拠点にふさわしい施設整備を行うとともに、新しい学術研究都市の核となるキャンパスを構築し、地域との積極的な連携を図ることとしています。 このため、移転事業を、九州大学学術研究都市構想や地元まちづくり及び周辺地域のインフラ整備と一体となって進めていくこととして、このほど埋蔵文化財保護や環境対策、国の財政事情などを踏まえて新キャンパス移転スケジュールを見直し、マスタープラン二〇〇一において計画していた従来のスケジュールを具体的で着実な移転スケジュールとしたところです。

(おおつき ひであき)


九州大学学術研究都市推進協議会
推進機構設立までの経緯
(役職者は平成16 年12 月1 日現在)
平成10 年5 月
九州大学学術研究都市推進協議会設立
平成10 年6 月
構想検討委員会設置
平成13 年6 月
推進協議会総会で「九州大学学術研究都市構想案」を承認
平成14 年5 月
推進協議会総会で「九州大学学術研究都市推進機構準備会議設立案」並びに「九州大学学術研究都市構想促進東京会議設立案」を承認
平成14 年7 月
九州大学学術研究都市推進機構準備会議設立
平成15 年1 月
九州大学学術研究都市構想促進東京会議設立
(会長:前田勝之助 前東レ株式会社代表取締役会長
平成16 年10 月
(財)九州大学学術研究都市推進機構設立
(会長:石川敬一 株式会社九電工会長)

平成17 年1 月に一部オープン

 学術研究都市の核となる新キャンパスを建設 している元岡・桑原の丘陵地は、かつてはみか ん園であったところです。平成17 年秋から移転 が始まる新キャンパスと学研都市の将来像を示 すとともに、いまの九州大学を紹介するための 施設が、平成17 年1 月センター地区予定地に一 部オープンします。

 名称は、みかん園にちなんで「Big Orange ( 九 州大学新キャンパス情報発信拠点)」。

 九州大学の産学連携プロジェクト等の展示機能、 来訪者向けのインフォメーション、地域資源の 紹介・案内、ミーティング・レセプションルー ム等を配置します。詳しくは次号で紹介予定です。


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