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 平成12年(2000年)1月19日(水),「九州大学韓国研究センター」の開所式が行われました。

 九州大学は,その創設期からアジアの中核的研究教育拠点としての役割を担ってきました。 平成10年(1998年)11月30日,大韓民国の金鍾泌(Kim Jong-Pil)国務総理(当時)が,九州大学で「韓日関係の過去と未来」と題して講演しました。 その中で金総理は,日韓の新たな友好関係樹立の必要性を強調。 日本の若い人々への期待と役割を日本語で語りかけ,深い感銘を与えました。 また九州大学は,総理に名誉博士の称号を授与しました。

 これを契機として,九州大学を韓国研究の拠点と位置付けた「韓国国際交流財団(Korea Foundation)」による5年間で100万ドルの助成が決まり,平成11年(1999年)7月1日,同財団の李廷彬(Lee Joung-Binn)理事長(現外相)が来学し,杉岡総長とともに,助成に関する協定に調印しました。

 「九州大学韓国研究センター」は,これにこたえて,韓国に関する研究と教育を推進し九州大学と韓国との学術・文化交流の拠点となる施設として,九州大学が設置したものです。

 韓国研究センターに隣接する国際ホールで行われた開所記念式典には,来賓,部局長など九大の関係者,韓国からの留学生や学生交流で韓国に留学した九大生など約120名が参列しました。杉岡総長の式辞に続いて,金鍾泌前韓国国務総理と日韓協力委員会の中曽根康弘委員長(元総理大臣)の祝辞を石川韓国研究センター長が代読。文部省国際学術課の加藤幹彦課長補佐,大韓民国国際交流財団の金在珪(Kim Jae-Kyu)理事の祝辞,長澤福岡県副知事による麻生福岡県知事の祝辞の代読,山崎福岡市長の祝辞と続きました。

 式典に続いて,金理事,徐在福岡大韓民国総領事,崔在韓国九州大学同窓会顧問(前会長),加藤課長補佐,杉岡総長,石川センター長が,韓国研究センター前でテープカットを行いました。 さらに,金前総理の筆で「九州大学韓国研究センター」と書かれた木製の扁額の序幕を,金理事と杉岡総長が行いました。

 センターは2階建てで,延べ面積は217m2。外装に韓国旗を象徴する赤や青などを使い,韓国の伝統的な文様を表現した窓格子が取り入れられています。1階は韓国関係の雑誌などが並べられた交流スペース,2階は韓国からの訪問研究員等の研究室や韓国関係書籍の常備,各種会議の開催に活用されます。


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