![]() 文学部長 菊竹 淳一 九州大学文学部は,みなさんの入学を諸手をあげて歓迎いたします。文学部は,本年度よりいくつかの改革があり,外面的にはともかく,組織上には様々な変化があります。しかし,文学部の志は不易なものがあります。その志は,人間の営みを過去・現在・未来にわたって多様な視点から考察し,人が人としてよく生きるには,いかになすべきかということを追求することにあります。そのためには,みなさんが一人ひとり多様な事柄に関心を抱き,新鮮な感性をもって学問にいそしんで欲しいのです。これまでにみなさんが行ってきたことは,・お勉強です。文学部では,・お勉強を越えて学んでください。それにより,よく生きて,豊かな人生を送ることが可能になると確信いたします。そのことのために,文学部はいろいろなかたちで,みなさんに協力ができます。私どもの使命は,文学部不易の志を生かして,若いみなさんをいかに素晴らしく育てるかにあると考えています。みなさんと一緒に,自由で,闊達で,豊かな雰囲気をもつ文学部をつくりましょう。 (きくたけ じゅんいち)
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![]() 農学部長 坂井 克己 九州大学農学部への入学おめでとうございます。 自然環境との調和を図り,生物による高い生産性を実現し,人類の生活を守ることは21 世紀の重要課題です。資源の搾取ではなく自然との共存を保ちつつ続けられる最新の生物生産技術の開発に,人類の命運がかかっているといっても過言ではありません。この課題解決には,自然への洞察力に裏打された「知力・理論・技術集約型」の農学が大きく寄与すると期待されています。 本学部は,生物系,化学系,数物系,社会科学系の諸分野から成る総合的な教育研究体制をとっています。これは,私達人類が食糧・衣料・住居を手に入れて生存を続けるために生物資源による生産,すなわち「生物産業」が必須であること,その実現には物質循環から人間社会に至るまでの広い視野を要することからきているのです。生物資源と環境問題に関心を持つ新入生諸君が,本学部で大いに勉学に励み,将来は大学院生物資源環境科学府に進学されることを望んでやみません。 (さかい こっき)
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![]() 文学部 黒岩幸子バスケットを始めて10年になる。私の学生生活の日々を劇的にしたのは,バスケ部での活動に拠るところが大きい。1限に教職の試験を受けた直後,文字どおり飛行機に飛び乗り,その日の13時には松山で試合に出場したり,毎年ゴールデンウィークには春季リーグの試合帰りに,大きな荷物を抱えて博多どんたくを見に行ったり,部活での無茶な思い出を挙げるときりがない。中でも,一番の思い出は七大戦である。七大戦は旧帝国大が年に一度集まり部活ごとに大会をするもので,毎年の楽しみだった。3年次には九大主催の七大戦でバスケ部創立以来の全勝優勝を遂げ,自らが主将として活動してきた総まとめとしての大阪での七大戦でも優勝し,2連覇という輝かしい成績を収めた。北は北海道から南は鹿児島まで数々の遠征先で戦友ができ,年に一度しか会わない友達ではあるが年々その仲を深めていった。人が集団として活動をするとき,そこには感動が生まれ,また当然相互間の確執も生じる。主将としてだけでなく,一個人として人間と人間を結びまとめることの難しさを体感したが,部員たちの支えのお陰で素晴らしいチームを作ることができ,何物にも代え難い経験をしたと誇りに思っている。バスケットの話で一晩明かせる友人や先輩・後輩を得たのは,私の一生の財産である。 部の練習は週に3日だったため,勉強やアルバイトとも両立できたが,これから大学生活を送る方々には,無理のない時間割作りを強くお薦めしたい。週20時間の授業を体力だけでカバーしていた時期もあったが,今振り返ると心にも余裕がなく,自己を見失っていたと反省している。4年の8月に部活は引退し,現在は社会人クラブチームに入ってバスケットを続けている。大学時代に得た体力と精神力,そして人脈を大事にして今後社会に出ても,バスケットを通じて人の輪を広げていければ素敵だと思う。 (くろいわ さちこ)
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