カナダとの学生交流

留学生センター 助教授 Andrew Cobbing

 本年5月23日(水)に東京で開催された日本・カナダ大学長サミットでは、九州大学とカナダの名門大学2校、トロント大学及びクイーンズ大学との新しい交換留学協定を正式に発足させる調印式が行われました。九州大学の杉岡総長や両大学の代表者のほか、駐日カナダ大使も出席し、新たな学生交流の第一歩を祝いました。

 カナダ東南部のオンタリオ州に位置するトロント大学とクイーンズ大学は、オンタリオ湖沿いの街にあるといった共通点もありますが、環境や規模の点ではかなり対照的な留学先です。ここにそれぞれの特徴をご紹介します。

協定校紹介

クィーンズ大学、キングストン

 王様の町に女王の大学。19世紀半ばにカナダの首都の役割も果たしたキングズトン市は現在人口14万、植民地時代を思い浮かばせる伝統に富んだこぢんまりとした街である。オンタリオ湖の岸に絵のように広がる石灰岩建築物の町並みが印象的。他のカレッジを含めて学生総数は2万人(うちクイーンズの学部生1万2千人)なので、どこでも歩き回れる学生街という雰囲気も特徴である。

 1841年に設立されたクイーンズ大学は15学部を誇る総合大学で、特に法学部は世界的にも有名である。趣のあるカナダの町の大変家庭的な雰囲気があり、安全に生活することができよう。学生寮もキャンパスから歩いて20分で着く距離にある。交流担当者や宿舎のスタッフからの留学生への配慮は高く、女性のために、留学生センターから家まで送る無料サービスまであるという。

 九大からの留学に際してTOEFLスコアの条件(580点)はちょっと厳しいかもしれないが、今後、英語レベルアップのためのサマープログラムや学期中の英語指導も予定されているので、英語試験の得点が間に合わなくても、ある程度調整できる可能性がある。それに、ここにしかない特徴だが、交換留学生としてクイーンズに留学した場合、イギリス南部にあるクイーンズ所有の濠に囲まれた15世紀の本格的なお城で4,5月の間に行われる短い夏学期に参加するのも十分に可能という!

トロント大学

 カナダの最大都市トロントは人口450万人が住む国際都市で、国連の調査によると、世界で最も民族が混合している都市でもある。中国、イタリア、ギリシアやジャマイカの相当大きなコミュニティを含む面白く変化に富んだ民族混合。そうしたトロントに留学すれば、世界との出会いが待っているにちがいない。

 1827年に設立されたトロント大学は現在学生総数5万5千人、教職員1万2千人からなる大規模な組織である。ダウンタウンに近い巨大なメインキャンパスは、学部の建物の他に、オックスフォードやケンブリッジのような伝統的ゴシック様式のカレッジという学生寮に分かれているため、風格のある豊かな環境に恵まれている。一方、九大との協定の中心になる人文科学部の歩行範囲内に、学生のためのあらゆる設備があり、数多い留学生のためにサービスを提供している点ではいかにもモダンなキャンパスでもある。これら必要費用のすべては、カフェテリアを完備したフルサイズのプールや数多くの学生組織を含んだ豊かな資産が生み出したもの。また北米でも4番目の大きさ(イェールやハーバードなどに次ぐ)の巨大な中央図書館も印象的。最新設備を誇り、1,280万冊も保管されているので研究者のパラダイスのような図書館である。

(アンドリュー コビング 短期留学部門)

※交換留学生については32頁の「告知板2」を参照。お問い合わせは留学生課(092-642-2143)。 又は、九州大学ホームページ(http://www.kyushu-u.ac.jp)の「国際交流・留学」をご覧ください。


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