財団法人 |
|
九州大学の教育研究活動の支援を目的とする財団の設立に向けて、平成十一年六月に学内教職員、卒業生を対象にした募金事業が始まり、約一万二千名から二億四千万円あまりの寄附がありました。この寄附金により、平成十三年三月に任意団体「九州大学後援会」が設立され、文部科学省から財団法人としての認可が得られて、「財団法人九州大学後援会」が同十一月一日付で設立されました。理事長に大野茂九州・山口経済連合会会長、常務理事に杉岡洋一前九州大学総長、理事として、石井幸孝九州旅客鉄道(株)代表取締役会長外十七名が選出されました。今後数年は、法人からの寄附についての税制上優遇措置が得られる「特定公益増進法人」の指定を目指して、事業活動の実績を積むこととなります。
|
|
![]() | ![]() |
平成13年12月19日に開催された第1回理事会の模様 | |
謝辞 財団法人九州大学後援会 理事長 大野 茂
九州大学では、21世紀を迎えて「強い九州大学」の実現に力を尽くされているとお聞きしておりますが、九州大学には日本における基幹大学はもちろん、世界における主要大学として、その機能を発揮していただきたいと常々希望しているところであります。国の教育行政は、次世代を見据えた50年100年の体系をもって、十分な資金を投入すべきところでしょうが、現実は、国立大学の法人化に代表されますように、大学の自助努力も求められています。
このような状況の中で、大学の教育研究活動を支援する組織の充実が必要となるわけですが、本来ならば、大学それぞれに大学支援組織があることが当然であり、今まで九州大学にその確固たる組織がなかったことに、驚きを感じている次第です。この支援組織を現実のものとするため、九州大学では大学の事業として財団法人設立基金のための募金活動が行われましたが、私は、杉岡総長はじめ九大教職員の財団設立に対する並々ならぬ意気込みに賛同し、その一助を担わせていただいた次第です。
平成13年3月に設立いたしました任意団体「九州大学後援会」が、同窓生の皆様及び九州大学教職員の方々の多大なご尽力により、このたび、財団法人としての許可が得られましたことは誠に喜びに堪えません。篤く御礼申し上げます。
九州大学の発展と学術の振興は、地元福岡にとっても大きく期待されているところですが、大学に対する時代の潮流は、順風ばかりとは行きません。九州大学は国立大学の先陣を切って、大学の改革やキャンパス移転などいろいろの課題を積極的に推し進められてきましたが、今後、財団法人九州大学後援会が側面からその活動を支援することにより、九州大学が名実ともに世界に冠たる大学となることを願って、謝辞とさせていただきます。
今後とも、ご協力いただきますようよろしくお願いいたします。
謝辞 九州大学(前)総長 杉岡 洋一
九州大学は、明治26年(1903年)に福岡医科大学として創設されて以来、学術研究上幾多の輝かしい世界的な業績を上げ、数多くの優れた人材を世に送り出し、わが国における最高水準の大学として高等教育をリードしてまいりました。本学は、如何なる評価にも耐えうる「強い九州大学の構築」の目標のもと、全大学院の重点化を終えると同時に、わが国初の「学府・研究院制度」を創設するなど、さまざまな大学改築に先駆的に取り組み、国立大学の中で最も活力のある大学として評価を得てきました。また、キャンパス統合移転事業は、平成17年開校に向け第T校区の造成も順調に進んでおります。新キャンパスマスタープランは先駆的大学改革の理念を現実化する理想的な新しい大学を描いており、周辺地域の整備と相まって、21世紀文明を創造する理念に基づいた学術研究都市の形成が期待されます。さらに、現地再開発を行う病院地区では、国立大学最大となる新病院T期外科棟が免震構造により竣工いたしました。
一方、国立大学法人化の論議に象徴されるように、大学の運営基盤強化、個性化、国際競争力の強化などが求められる中で、大学を外部から支援する恒常的な支援団体が不可欠であります。その点、私立大学はもちろん主要な国立大学にあっては大学支援財団がすでに設立され、様々なサポートがなされているにもかかわらず、本学には支援財団がなく、その設立が強く望まれておりました。このたび、財団法人九州大学後援会が皆様のご支援により設立されましたことは、まことに喜びに堪えません。同窓生の皆様、学内教職員の並々ならぬご協力に心より感謝申し上げる次第でございます。
今後、地元各界を代表される方々を中心に組織された、財団法人九州大学後援会が活発な活動を展開し、九州大学が世界の教育・研究拠点として更なる飛躍を遂げるために、側面からご支援いただくことを願ってやみません。最後に、後援会設立にご協力いただきました方々の、ますますのご活躍とご多幸を心より祈念し謝辞とさせていただきます。
収支決算報告書 |
収入の部 | 支出の部 |
---|
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
募金収入 | 242,355,442 | 募金事業経費 | 9,951,578 |
教職員募金 | 84,770,500 | 銀行口座引落手数料 | 363,342 |
同窓生募金 | 157,584,942 | 郵便振込手数料 | 885,330 |
雑収入 | 253,928 | 印刷費 | 3,662,688 |
郵送料 | 5,034,969 | ||
事務雑貨 | 5,249 | ||
払戻金 | 1,990,000 | ||
九州大学後援会へ寄附 | 230,667,792 | ||
合計 | 242,609,370 | 合計 | 242,609,370 |
寄附状況報告 |
同窓会名 | 依頼数 (人) |
寄附人数 (人) |
寄附率 (%) |
寄附金額 (千円) |
文学部 | 4,259 | 531 | 12.5 | 9,019 |
教育学部 | 1,454 | 137 | 9.4 | 2,236 |
法学部 | 9,622 | 1,177 | 12.2 | 21,308 |
経済学部 | 8,991 | 1,049 | 11.7 | 17,602 |
理学部 | 7,318 | 747 | 10.2 | 12,992 |
医学部 | 6,084 | 1,023 | 16.8 | 23,607 |
歯学部 | 1,126 | 87 | 7.7 | 1,410 |
薬学部 | 3,223 | 355 | 11.0 | 5,426 |
工学部 | 23,342 | 2,901 | 12.4 | 45,327 |
農学部 | 7,972 | 1,113 | 14.0 | 16,530 |
システム | 257 | 12 | 4.7 | 151 |
数理学 | 124 | 13 | 10.5 | 260 |
総理工 | 1,547 | 81 | 5.2 | 1,171 |
その他 | 0 | 37 | 7.7 | 545 |
合計 | 75,319 | 9,263 | 12.3 | 157,585 |
職員数 (人) |
寄付者数 (人) (%) |
寄附金額 (千円) |
||
教官 | 2,407 | 1,531 | 63.6 | 76,921 |
教授 | 732 | 602 | 82.2 | 48,690 |
助教授 | 638 | 419 | 65.7 | 20,056 |
講師 | 129 | 81 | 62.8 | 2,255 |
助手 | 908 | 429 | 47.2 | 5,920 |
事務系 | 984 | 741 | 75.3 | 5,521 |
技術系 | 1,381 | 346 | 25.1 | 1,971 |
その他 | 357 | |||
合計 | 4,772 | 2,622 | 54.9 | 84,770 |
学内外の別 | 寄附人数 (人) |
寄附金額 (千円) |
卒業生 | 9,263 | 157,585 |
学内教職員 | 2,622 | 84,770 |
合計 | 11,885 | 242,355 |