大学の動き
主なニュース
news1.
アジアのメディカルセンターへ
新病院 竣工
 十月二十九日(月)、新病院第T期棟竣工記念式が新病院東玄関一階で催され、診療科(部)長、医学研究院教授、薬剤部、看護部など院内関係者約百五十名が出席しました。
 中野仁雄病院長が「この新病院で、より高いレベルの、質の良い、やさしい、暖かい医療ができるでしょう。第T期棟の完成をみんなで喜びましょう。」と挨拶したのに続き、杉岡総長が次のように挨拶しました。「私の任期中に新病院の竣工式に出席する事ができて、感無量です。新病院が最先端の医療の現場、そして教育や研究の場としても活用され、アジアのメディカルセンターとなることを願っています。」この後、施工主である杉岡総長から中野病院長へかぎの引渡しが行われました。(写真)
 この日竣工式が行われた第T期棟は、外科系病棟、手術部、集中治療部、放射線部などが入り、地上十一階、地下一階、延べ床面積五万三千五百平方メートルで、免震構造を採用しています。これから内装工事や機材搬入などの作業が行われ、平成十四年四月に開院予定です。
 なお、内科系病棟などが入る第U期棟は平成十四年度から十七年度の間に、外来、総合診療日、事務部などが入る第V期棟は平成十六年度から十八年度の間に工事が行われる予定です。

news2.
都心にサテライト
国際研究交流プラザ
 十月二十九日(月)、早良区西新(にしじん)に建設された国際研究交流プラザの開所記念式典が行われました。
 九州大学は十年前の平成三年に創立八十周年記念事業として募金を行いましたが、その柱となったのは、学術研究協力基金及び国際交流や研究協力を目的とした施設の建設でした。募金終了後間もなく設立された基金は、以来今日まで多くの外国人研究者や留学生の交流に役立てられてきましたが、施設は、その機能や設置場所を含めて今日まで検討が続けられてきました。プラザが建設された西新地区は、旧制福岡高等学校の外国人教師宿舎の跡地であり、新キャンパスと筑紫地区(総合理工学研究院などがある)そして病院地区のちょうど中心となる都心部に位置し、産学官や社会人を対象にした社会連携や情報発信基地というプラザの目的に最適の場所と言えます。
 杉岡総長はその式辞の中で「多くの方々のご協力とご尽力で待望のプラザができて、大きな慶びです。福岡の中心部にあるサテライトキャンパスとして、学内外の多くの方々に利用されるよう希望します。」と述べました。
 続いて壇上に上がった川合辰雄九州電力(株)相談役・創立八十周年記念事業後援会会長、田代英雄名誉教授・創立八十周年記念事業募金委員会委員長、大野茂九州・山口経済連合会会長・九州大学同窓会連合会会長・九州大学同窓会連合会会長、山崎信行名誉教授・西新地区土地利用計画ワーキンググループ前委員長、神田慶也元学長は、皆さん一様に、「多くの方々のご尽力で事業の柱であったプラザが建設されたことへの感謝」そして「都心部にある窓としてのプラザの活用が、九州大学のますますの発展につながることを祈る」旨の祝辞を述べました。
 プラザは百地浜橋のやや上流、樋井川沿いに建てられており、川向こうに中国総領事館や福岡ドームを見ることができます。お問い合わせは、プラザ事務室(092-831-8104)へ。
 また式典の後、第一回総長賞(前号詳説)の表彰式が行われ、八人の若手研究者と二グループに奨励金と記念品が送られました。

news3.
杉岡総長 退任
梶山総長 就任

杉岡先生ありがとうございました。
 十一月六日(火)、本部事務局玄関で、この日二期六年間にわたる任期の最後の日を迎えた杉岡洋一第二十代総長の退任式が行われました。
 九州大学男性合唱団コールアカデミーによる歓送合唱で始まった式は、梶山千里工学研究院長による教職員代表挨拶、体育総務委員長の會田英明君による学生代表挨拶と続きました。會田君の「今年の七大戦の雪辱を期して精進します。」との言葉に顔を紅潮させた杉岡総長は、「多くの教職員、学生の皆さんにお集まりいただき感激しています。梶山総長のもとで、九州大学をさらに発展させてくださるよう期待しています。」と挨拶しました。続いて、アメリカンフットボール部パルーカスのメンバーによる記念品贈呈、事務局職員による花束贈呈と続き、會田君の指揮で事務局前に集まった約二百名で学生歌「松原に」を合唱して杉岡総長をお見送りしました。
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梶山新総長から事務局職員へ新任の挨拶
 十一月八日(木)には、本部事務局第一会議室で、梶山千里(かじやま ちさと)第二十一代総長の就任式が行われました。
 事務局職員など約三百名を前にした梶山総長は、「教官と職員が両輪となって、杉岡総長をはじめとする前執行部が離陸するところまで準備してくださった九州大学を、できるだけ高い所まで飛び立たせ一日も早く水平飛行に持っていきたい。」と挨拶しました。続いて職員を代表して早田憲治事務局長が、「歴代の総長の中でも梶山総長は、統合移転や法人化などの大きな課題に取り組まなければなりません。私たち事務職員も危機意識を持って、総長とともに全力で課題に取り組みたい。」と挨拶しました。

news4.
「二十一世紀社会を生きる」
学術・文化講演会
 十一月十七日(土)、学術研究推進委員会が企画した「九州大学学術・文化講演会」が天神のエルガーラホールで開催されました。これは一般市民を対象に、誰もが関心を持つ問題を専門家が分かりやすく解説するという企画で、今回のテーマは「二十一世紀社会を生きる」。講師は医学研究院長の桑野信彦(くわの みちひこ)先生と経済学研究院の新井光吉(あらい みつよし)先生でした。
 桑野先生の講演「ヒト遺伝子のしくみとがん治療の新しい展開」は、細胞の核、DNAの構造やRNAの役割、染色体の構造などの説明(これがとても分かりやすかった)から、がん発生の仕組み、新しいがん治療の現状を紹介するというものでした。
 新井先生の講演「高齢化社会における年金・医療・介護」は、人口に占める六十五歳以上層の比率が十七パーセントを超えて世界最高水準の高齢社会となった日本の、年金・医療・介護という身近な問題を総合的にとらえて、現状とあるべき対応を解説するというものでした。
 がんと高齢社会への対応という、どちらも身近でありながら大きな問題を、分かりやすく解説した桑野、新井両先生へは、講演後も、会場の約二百三十名の市民や学生から質問が相次いでいました。

news5.
杉岡前総長が
名誉教授に

梶山新総長(右)から授与
 十一月二十日(火)の評議会で、杉岡洋一前総長への名誉教授の称号授与が決まり、翌二十一日、総長室で梶山総長が杉岡前総長へ名誉教授称号記を授与しました。
 六日の退任式以来はじめて総長室を訪れた杉岡前総長は、六年間の任期を終えた安堵からか終始おだやかな表情で、列席した柴田、野澤両副学長、早田事務局長、厚谷総務部長と歓談しました。

news6.
普及への第一歩
移植患者二人が退院
 臓器移植法に基づく脳死提供者からの膵腎同時移植を受けた女性二人が、十二月三日(月)、そろって医学部附属病院を退院しました。
 お二人のうち、お一人は八月十七日に九州初、日本で五例目となる膵腎同時移植を受け、もうお一人は、十一月三日に日本で六例目となる移植を受けた方です。外来の玄関で、杉谷篤講師など移植チームに見送られて、ご家族とともに帰宅されました。

退院後行われた担当医師団による記者会見
 この後行われた記者会見には今回の移植手術に携わった、田中雅夫第一外科教授・副病院長、安井久喬心臓外科教授・手術部長、高橋成輔麻酔科蘇生科教授・集中治療部長、谷山卓郎集中治療部副部長そして杉谷篤腎疾患治療部(第一外科兼務)講師が出席し、次のように述べました。
 「九州大学は、膵腎の他にも肝臓と小腸の移植医療施設として認定されています。今回の二例によって、脳死提供者からの臓器移植には、一時に集中してしかもハイスピードで仕事をしなければならないことがよく分かりましたし、当病院の今の体制が、それに即応できるものであることを確認することができました。今回の経験をフィードバックし、さらに良い医療に貢献できるよう努力したいと思います。また新病院では、受け入れ体制が更に改善されることを期待しています。」
 一例目の方「移植を受けた八月十七日を、(臓器提供者も含めて)私たちの第二の誕生日と思い生きていきます。」
 二例目の方「中学、高校と病気のためできなかった勉強をしたい。特に英語を学んで、この先何か見つけていく生活を送りたいと思います。」

news7.
技術マネジメントスクール
開校
 マネジメントが分かる技術者、技術の分かる実務者を育成し、マーケティングを意識した新産業創出を目指そうという「九州大学技術マネジメントスクール」が、十二月五日(水)開校しました。
 開校に当たって、村上敬宜工学研究院長は次のように述べました。「アイデアにおぼれマネジメントが不十分なために事業展開がうまくいかないということが、これまでの技術者にはありました。ベンチャーがもてはやされていますが、当然リスクはあり、技術マネジメントをシステマチックに勉強することが必要です。講師の皆さんに活発に質問して、たくさんのものを持ち帰ってください。」

スクールには多くの社会人の方々が参加した。
 当初四十名の予定だった受講生は、九州大学学生六、教官八に加えて社会人二十九の四十三名となり、三月まで講義やグループ討議、事業計画などが行われます。

※技術マネジメントスクールに関するお問い合わせは、九州大学ベンチャービジネスラボラトリー、坂口助教授まで。
電話 092-642-4011   642-4014


news8.
総合研究博物館
公開展示はじまる
 九州大学総合研究博物館と福岡市博物館の主催する公開展示「石炭・金・地熱 - 九州の地下資源」が、平成十三年十二月十八日(火)から始まり、同十九日、福岡市博物館の展示会場でセレモニーが行われました。
 主催者として梶山千里総長は、次のように述べました。「創立以来約一世紀にわたって蓄積した研究成果や学術標本を広く市民のみなさんに紹介することも、開かれた九州大学の役割です。九州の代表的地下資源であると石炭、金、地熱を取り上げたこの展示が、資源問題を改めて見つめなおす機会にもなればと思います。」

 続いて、梶山総長、桑原敬一福岡市博物館長、湯川淳一九州大学総合研究博物館長、江原幸雄実行委員長(工学研究院地球資源システム工学部門教授)、早田憲治事務局長によりテープカットが行われました。
 会場には、約百点にのぼるパネルや標本、古文書などが展示されており、「熱い日本の中でも特に熱い九州への地球からの贈り物」である石炭や金、温泉や地熱について、その生成からエネルギー問題の展望までを見て学ぶことができるようになっています。
 開催は平成十四年一月二十七日(日)まで。会館は午前九時半から午後五時三十分(入館は五時まで)、休館は月曜日(月曜が休日なら翌日)及び十二月二十八日から一月四日まで。

国際・留学
news9.
駐日オーストラリア大使が講演
 十二月七日(金)、在福岡オーストラリア総領事館総領事、領事と共に、駐日オーストラリア大使、ジョン・マッカーシー閣下が本学法学研究院英語特別コースCPSA(比較アジア行政・政治学)での講義のために来校されました。講義に先立って、柴田、野澤両副学長やオーストラリアから法学部への留学生ら関係者十名と昼食を共にされ、大学の役割などについて歓談されました。その後、吾郷法学研究院長の案内で法学研究院図書館を訪れて、グロティウスの「戦争と平和の法」初版本などの特別貴重図書を興味深く見学されました。
 講義では大使館の職務内容を中心に、ご自分の経験を交えながら日豪関係の概要を話されました。講義は一般学生にも開放されて、日本人、留学生、教官の方々まで幅広い参加があり、多くの質問も出て、大変活発なものでした。日本において大学で話をするのは貴重な機会と、大使も喜んでいただいた様子でした。
(文責:法学研究院講師 八谷まち子)

news10.
杉岡前総長に
マンスフィールド賞
 故マンスフィールド元駐日米国大使(1977年から88年まで在任)の功績を記念して、日米関係の発展に大きく貢献した九州・山口地域の個人や団体に対して毎年贈られるマンスフィールド賞(在福岡アメリカ領事館と福岡アメリカン・ビジネス・クラブが89年創設)が、第十一回となる今年は、九州大学の杉岡洋一前総長に贈られることが決まり、十二月十二日(水)、在福岡アメリカ領事館で贈呈指揮が行われました。杉岡前総長は奥様とともに出席。大濠公園脇にある領事館の庭で関係者約五十名が出席して行われた式は、日米両国国歌の演奏で始まりました。

杉岡前総長ご夫妻と
リー主席領事(後列左)
 在福岡アメリカ領事館のウー・C・リー主席領事は、主催者として日本語で次のように挨拶しました。
 「十月にマンスフィールド元大使が逝去され、日本で唯一のこのような賞の存続が危ぶまれましたが、継続が最大の弔意であるとのご遺族の意思により、本日第十一回の贈呈式を行うことができました。杉岡先生は、九州大学総長在職中の二期六年にわたり数々の大胆な改革に取り組んでこられ、新キャンパス建設のマスタープラン策定に当たっては、シザーペリ・アンド・アソシエーツ・ジャパンを含む日米設計共同体をコンサルタントに選出されました。また、全国の国立大学に先駆けて設立されたJTWプログラム等を通じ、米国人留学生の受け入れに多大な貢献をされるなど、日米パートナーシップ促進への画期的な貢献が高く評価されました。米国政府を代表してお祝いを申し上げるとともに、日米関係の促進にいっそうのご尽力をお願いいたします。」
 この後、前川和元福岡アメリカンビジネスクラブ会長の来賓挨拶、平山敞ダイエー副社長と梶山千里九州大学総長の来賓挨拶に続いて、杉岡前総長が次のように挨拶しました。
 「このような賞をいただき、感激しています。今回の受賞は、日米文化交流促進を果たしてきた九州大学の功績に対して贈られたものです。評価してくださった米国政府、ウー・C・リー主席領事、前川会長にお礼申し上げるとともに、梶山総長のもとで歩み続ける九州大学のこれからの活躍を見守っていただきたいと思います。」

news11.
交流プラザで
クリスマスコンサート
 十二月十九日(水)、穏やかな小春日和のお昼どきの箱崎キャンパスにクリスマスソングが流れてきました。
 このイベントは、勧告留学会(会長:工学府(チョンユンヨン))さんが、日韓大学生の交流を目的に、母国の有名なゴスペルシンガー盧文換(ノムンファン)さんを招き、箱崎地区の二十一世紀交流プラザで開催されたものです。
 寒空の下、心温まる歌声に約六十名の参加者全員、クリスマスの訪れを実感できた一日となりました。

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