シリーズ:世界のキャンパス

Bレウヴェン・カトリック大学(ベルギー)

 九州大学の学生交流協定校は世界中にあり、多くの学生たちが授業料免除、単位互換を原則に交換留学をしています。このシリーズでは、留学を経験した学生が、留学先の協定校をご紹介します。
(交換留学に関するお問い合わせは、国際交流推進室092-642-4323へ。)

ベルギーでの留学生活

法学部4年 中地由希香(なかちゆきか)

右から2番目が中地さん
レウヴェン市庁舎

現在私はベルギーのレウヴェン(Leuven)という町のKatholieke Universiteit Leuven(レウヴェン・カトリック大学)で1年間の交換留学生として学んでいます。9月にここへ来て、早くも3か月が過ぎました。やはり初めの約1か月は生活のあらゆる点で不安や不自由を抱えていましたが、今ではベルギーの友達や他のいろいろなプログラムでここへ来ている人たちとも仲良くなり、毎日の勉強や生活を楽しんでいます。ベルギーというとどこにあるの?どうしてベルギーに行くの?何語が話されているの?などとよく聞かれますし、九州大学からは私が初めての交換留学生となるそうですが、ここはEU圏内はもちろん、世界中からたくさんの学生が集まっている、とても活気のある町です。そして町がそのまま、大学なのです。大学の歴史は古く、創立は1425年です。オリエンテーションの挨拶で、ここへ来た学生は将来必ずまた戻ってくる、と言われていたのが印象的でした。そして留学生受け入れも積極的で、様々な制度や設備なども充実しており、留学生には魅力的なところです。たくさんの授業が英語で開講されていて、私はヨーロッパの中でのベルギー、オランダの歴史と、国際法に近いものを選んで受けています。レウヴェンにはカフェやレストランがたくさんあって、特に今はクリスマス前でもあり、町全体がとてもきれいに飾られています。EUの政治的中心であるブリュッセルにも近く、生活には事欠きません。私はこのような環境で1年間勉強できることをとても嬉しく思っています。そしてベルギーの文化はもちろん、ヨーロッパの大きな歴史、文化に触れ、大きく成長していきたいと思っています。

レウヴェン・カトリック大学:

 1425年に教皇マルティン5世によって創立されたベルギーで最も古い大学。ベルギー北部のオランダ語圏に位置する。16世紀にはオランダの人文学者エラスムスも教壇に立った。現在、神学部、哲学部、教会法学部、法学部、経済・応用経済学部、社会科学部、人文学部、心理学部、理学部、工学部、農業・応用生物学部、医学部、薬学部、体育教育・生理療法学部に加え大学院、大学病院、現代オランダ語・外国語センターがある。2002-2003年には28,000人以上が在籍し、留学生は100カ国以上から3,000人を超える。ベルギーの複雑な言語事情から、1968年フランス語を教育言語とするルーヴァン・ラ・ヌーヴ大学がフランス語圏に分離移転した。

編集後記

 年が明けて、文系キャンパスにロースクール建設の槌音がきこえてくるようになった。大学が急速に変容しつつあることが、ここでも具体的な形をとって表現されつつある。社会の至るところに現れている頽落が、大学に、過去の知的遺産のうえに安住することを許さないのはわかっている。しかし、そもそも、われわれは何を求められているのか。もはや立ち止まることはできないとすれば、すべては手探りで一歩ずつ進むしかない。あわてず、あきらめず、闇の中でも目を閉じずに。

(編集主幹 石田正治)

 昨年旧東欧ではウクライナのキエフとドイツのグライフスバルトに行って来た。前者は綺麗な町で、広い表通りでは共産主義時代の立派な建物と企業の派手な現代的な建物の混在、高級外車で我が物顔に走る金持ちと物乞いとの混在、アメリカドルの幅広い流通とインフレ、入場料や寄進で修繕された多くの教会、若者の西欧よりも派手な服装などが目についた。後者の町ではドイツ政府の肩入れで次々と再生事業を行い学生も倍増しているが、色々な点で垢抜けなく英語も全く喋れない人が殆どであった。逆に人懐っこい親切そうな中年層が多く見受けられた。まだまだどちらも過渡期であるが、西欧文化に染まって画一的なものにならず独自の固有の発展を遂げて欲しい。

(編集委員 篠原俊二郎)

 インタビューシリーズ「九大人」世界で活躍する九大人は、見逃せない記事です。活躍されている先生の生き生きとした姿が見られるはずです。学生さんには是非じっくりと味わって読んで頂きたいものです。学部卒業後、あるいは大学院終了後、夢を一杯持って社会に出、世界に羽ばたけるよう、有意義な学生生活を送ってほしいといつも願っています。

(編集委員 淵田吉男)

 前号に引き続き世界で活躍する九大人、お二人の話を聞くと世界観が変わってきます。お二人の研究話からは、これからの可能性を想像する楽しさを、経験から出る言葉からは強い説得力を感じます。湯元先生の『人生は「運・根・鈍」』、河野先生の『世界は面白い!』という言葉は短いながらも多くを考えさせられる言葉です。

(総務課広報担当 上野裕子)

 先日、新キャンパスを見に行く機会があった。去年八月に見たときと比べ、これほど早く建つものだろうかと驚くほど、工事が進んでいた。工学系の建物が実際に姿を現していくのを間近に見てみると、完成予想図で頭の中に思い描いた新キャンパスの姿とは、またひと味違う新鮮で強烈な印象が残った。これから元岡地区がどのように豹変していくのかがとても楽しみだ。

(総務課広報担当 大坪豊和)

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