新任部局長紹介
新しく研究院長や所長、センター長に選ばれた方々の人となりを、周辺の教員、学生がご紹介します。

人文科学研究院長


川本 芳昭(かわもと よしあき)

 川本芳昭先生のご専門は東洋史です。特に、中国はもとより日本・朝鮮をも包含する東ア ジア全域の古代・中世期における民族問題や政治史、国際関係史などといった幅広い分野 を対象としてご研究に取り組まれており、その成果の一部は、毎年絶えることなく上梓さ れている先生の数多くのご著書・ご論文を通じて窺うことができます。また、海外で開催さ れる国際学会でも精力的に活動・報告されており、先生のご研究への情熱はますます盛ん となっています。
 そうした先生の情熱は、私たち学生に対する指導においても全く同様です。先生は、研究 者としてはもちろんのこと、教育者として、また時には先輩として、常日頃より親身に私た ち学生に接してくださっています。また、コンパの席などでも、講義中の真摯なお姿からは 想像できぬ程の乱れぶり(?)で積極的に学生を指導されています。

(学生K&T)

人間環境学研究院長


渡邊 俊行(わたなべ としゆき)

 「部局長(人間環境学研究院長)就任、おめでとうございます」と言ったら「皮肉、言っとるのか」 と睨まれそうですね。法人化後の新しい部局の舵取り、大変だと思います。でも、大変だと思うから こそ、「おめでとうございます」と言いたいのです。
 仲間内では「気配りのナベさん」、「マメなナベさん」で通っていますよね。物事の企画、立案、実 行、事後の気配り、いつも感心しています。まめに細心の注意を払う姿勢、いつも見習わなくてはと 思うのですが。昔、論文の校正をお願いするたびに、文字が読みとれない程に朱を入れられ、途方 に暮れたのを思い出します。この性格なら、囲碁や将棋の世界でも一流になれたのではとも思う のですが、勝負事はあまり強くなかったですね。一旦、こうやると決めたら頑固にそれを貫く性格 があだになったのでしょうか。
 最近、恰幅がよくなりましたね(太りすぎと言いたいのですが)。私も同様の傾向、またバドミン トンやりますか。

(T・H)

工学研究院長


大城 桂作(おおぎ けいさく)

 工学研究院長に就任された大城桂作先生は、材料工学部門の教授です。先生のご専門は凝固法や 結晶成長育成法を用いた組織設計です。鉄鋼などの強度を重視する材料から超伝導・太陽電池・光源 用複合材料などの機能性材料まで独創性に富んだ手法で取り組まれており、国内外の企業・研究者・ 大学教授から厚い信頼と評価を受けています。
 また、先生は九州大学全体の発展を常に意識されており、新キャンパス移転計画・ウエストゾーン ワーキンググループの責任者として、一方ではベンチャービジネスラボラトリー、C&Cを立ち上 げ、研究教育連携推進に尽力されています。現在は、超伝導システム科学研究センター、感性融合創造 センター等を兼任され、研究と創造性が融合した新たな独創性を目指しておられます。
 先生は九州大学剣道部の顧問をされており、また、ソフトボール、バドミントンなど「”何か“を 持たせるスポーツでは右にでるものがいない」パワーの持ち主です。ワインを好まれ、すこし赤らん だ顔で語られる”大いなる夢“はいつも周囲の方々を引きつけます。今後、卓越した洞察力・判断力・ 行動力・信頼により工学研究院はもとより九州大学全体が大いに飛躍することを期待してやみません。

(H・M)

法科大学院(法務学府)長


大出 良知(おおで よしとも)

 初代法科大学院長を務められることになった大出教授は、仙台生まれの東京育ち。東 京都立大学法学部、大学院を終えたのち、静岡大学人文学部法学科勤務を経て、一九九 一年、九州大学法学部教授として着任された。
 専門は、刑事訴訟法。その学問研究のきっかけとなったのが、学生時代に出会った松 山事件という死刑確定囚の再審事件だったという。再審決定の門を開くには大変な時 間とエネルギーが必要であり、しかも、何よりも原判決を翻すだけの説得力のある実証 的裏付けが要求される。
 大出教授は、一貫して再審制度の研究を続け、誤判を発生させない刑事司法制度を 作るための刑事弁護の充実強化、司法制度改革の必要性を訴えてこられた。
 その学風は、事例に対する徹底した実証的アプローチであり、人からは「弁護士より も弁護士らしい」と言われる。一見豪放磊落でエネルギッシュ、しかもリードオフマン の大出教授であるが、実は繊細で気配りの細やかな面も持つ。
 船出したばかりの九大法科大学院の舵取りに期待する声は大きい。

(M・D)

生体防御医学研究所長


吉開 泰信(よしかい やすのぶ)

 所長にご就任された吉開泰信先生は昭和五十二年に九大をご卒業後、医学部細菌学 教室助手、生体防御医学研究所助教授、名古屋大学医学部教授を経て、平成十三年より 生体防御医学研究所附属感染防御研究センター感染制御学部門の教授に就任されてい ます。ご専門は免疫学であり、特に細菌やウイルスに対する生体防御機構について研究 を進めておられます。「九大が生体防御学の発祥の地であることを忘れずにその学問を 継承していかねばならない」が口癖で、生体防御医学研究所へのひと一倍の愛着と強い 使命感に支えられ、日夜邁進されておられます。いよいよ国立大学法人九州大学がス タートしました。生体防御医学研究所も質の高い基礎研究の成果の情報を発信し続け るとともに、社会貢献・国際貢献に関する活動を社会に対して目に見える形で示してい くことが重要となってきます。今後、ますますお忙しくなられますが、たまには教室員 とのスポーツで健康に留意されてください。

(H・N)

九州大学病院長


水田 代(すいた さちよ)

 カリスマ性と優しさを兼ね備えた指導者。専門は小児外科。「力の出し惜しみをしない」をモット ーに、いつも自己を磨き、勉強熱心で、ベストを求めて時間と労力を惜しみなく注ぎ込み妥協を許 しません。この姿勢を教室員に示し、何事にも全力をつくすことを身をもって教えてくれていま す。親分肌で、教室員には厳しく、優しく、個々の能力をみきわめて長所をのばし、短所はカバーし てくれます。卓越した手術の腕を持ち、驚異的ともいえる記憶力で、多くの患児の病歴はもちろん、 家族環境まで把握している生き字引的存在でもあります。また、「ぬいぐるみ」(特に犬)大好きな 天真爛漫さで、患児や家族とのこころ安らぐ交流がみられます。世界の小児外科のメッカである英 国「アルダーヘイ小児病院」で小児外科を学び、国際交流を大切にし、国際学会への出席はもちろん のこと、全世界の小児外科の著名な教授達が、足繁く九州大学小児外科を訪問されます。多くの人 が変革期のリーダーとしてのご活躍を期待しています。

(T・T)

健康科学センター長


上園 慶子(うえぞの けいこ)

 上園さんは静かな人である。学会の後、数人のグループで旅行したことがあるが、 車の後部座席で微動だにしないので、眠っているのかと思ったら、両目をしっかり見 開いて外を見ている。そして、ここはさっき通ったよとか、必要な情報を教えてくれ る。
 Chronobiology(時間生物学)という、長い時間をかけて対象の動きをじっくり観 察する研究分野のせいかもしれないが、冷静に成果を積み重ねる粘り、責任感の強さ は脱帽である。上園さんのいつも変わらない落ち着いた態度は、法人化やキャンパス 移転などの激動期のナビゲーター役に適任だと期待している。
 いつも笑顔を絶やさず、性格もおっとりして周囲の人に安心感を与え、健康相談で は日本人からも留学生からも頼りにされる姉貴分でもある。相談者がほっとして思 わず涙をこぼすことも多いらしい。何事にも全力で取り組むのは良いが、ちょっと頑 張りすぎる傾向があるので、自分の健康管理も忘れないで戴きたい。 

(A・I)

部局の話題

人間環境学研究院

東アジア・センター・オン・エイジングがリサーチコアへ
 東アジアの人口高齢化に関わる教育研究拠点の形成をめざすリサ ーチコアとして、東アジア・センター・オン・エイジングがこのたび学内で 認可された。東アジアの人口高齢化の先端にある日本では、今後社会問 題としての関心が高まることが考えられるため、九州大学にその教育 研究の拠点を形成しようというもの。詳細については、小川全夫 人間環 境学研究院人間科学部門共生社会学講座教授へ。

工学部

工学部物質工学科材料コース、英語による特別講義の開始
 三年生を対象に、専門知識と国際感覚の向上につながる一手段として、 英語による特別講義を開始。講師の南カリフォルニア大学Langdo教 授は「超塑性」研究の第一人者であり、材料分野での論文被引用件数は世 界第二位と素晴らしい活躍をしている。教授の専門である材料の変形 メカニズムについて講義してもらうことにしている。


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