■ ■ ■  ■ ■ ■ S E R I E S 九大生が紹介する世界のキャンパス

 香港大学 中国(香港)

Hong Kong
九州大学の学生交流協定校は世界中にあり、多くの学生たちが交換留 学制度を利用しています。このシリーズでは、海外の大学に留学中の、 あるいは留学を体験した学生が、留学先の協定校をご紹介します。




香港での留学生活
工学府修士一年
秋廣 直紀(あきひろ なおき)
日本語学科の学生と。中央が秋廣さん、右から2人目は同じく九大から来た孫さん。
 九月からの留学生活も、ここにきて残すところわずかとなりました。香港は金融最先端の地、西と東の文化の混ざるところ、などといった表現をされているのをよく目にします。実際、街中では様々な種類の言語を耳にすることができ、住んでいる人の多様さを実感することができます。また、たくさんの日本人が住んでおり、日本の文化、漫画、芸能人、化粧品、日本食なども香港人に受け入れられており、日本人にとって住みやすい街と言えるかもしれません。香港風にアレンジされた日本食、意味のないひらがなの羅列で日本っぽさを出している所、怪しい日本語で書かれた看板、広告を見ると、日本の受け止められ方の一面をかいま見ることができます。
 香港では主に広東語が話されていますが、大学の講義は英語で行われており、学生とは英語で話し合うことになります。互いに母国語でない言葉で意志疎通を図るのは容易ではなく、重要でないことは広東語で済ませてしまおうとする場面もあります。時に同時通訳をしてもらったり、英語を使うように説得したりとコミュニケーション以前の問題を解決しないといけないこともありました。外見では日本人も香港人も中国人も、明らかな違いがなく、新しく人と出会う度に、英語で話しかける→広東語で返事をされる次に北京語で返事をされる→日本人だとわかる→そして英語で会話を始める、というステップになるのもおもしろい経験でした。

香港大学
Main Library 前広場
 香港特別行政区の香港島に位置し、キャンパスは山の斜面を利用して建てられている。香港にある八つの大学のうち最も古く、他の大学と比べBritish Colony時代の面影を残している。一九一一年創立。香港で活動している政治家の過半数が香港大学の卒業生。現在、学部生、大学院生あわせておよそ一万四千人、そのうち約八百人が留学生。授業は英語で行われ、十三の学部がある。留学生向けの広東語、中国語講座が開講されている。Buddyプログラムと呼ばれるチューター制度などがあり学生生活をスムーズに始めることができようになっている。日本研究学科という学科もあり、日本語の学習者も多く、日本への留学を希望している学生も多い。

交換留学に関するお問い合わせは、国際交流推進室092-642-7094へ

編集後記

 4月の法人化に伴い私たちは「教官」ではなくなった。以後「教員」と呼ぶのだそうだ。しかし辞書にはもう一つ「教師」という言葉が見える。「師」とは集団の中で何かをリードする意味を持つ。限られた枠に閉じこもり与えられた作業のみをこなす「人員」ではないのだ。次の新しい時代の開拓――これが大学の使命だとすれば今こそ我々は「師」と呼べる人を大学の内外に求めねばならない。インタビューシリーズ「九大人」は、そんなコンセプトで続けられている。

(編集主幹 静永 健)

 アメリカの大学で、新入生が5月に読む本の第1位は、『ライ麦畑でつかまえて』だという話がある。21世紀にはいって、もう『ライ麦畑でつかまえて』は「古い」のかもしれない。ただ、表現方法は変わっても、新しい環境の中での孤独感や将来へのいいようも無い不安は、現在でもみな感じていることだと思う。危機的状況とは、新しい変革が生み出される時期でもある。内に閉じこもらず広く外に目を向けていって欲しい。

(編集委員 柄谷 利恵子)

 最近、経済は上向きという。年金問題のごたごたなどをみても、政策や行政改革が功を奏したとは到底思えない。個々の企業が経済を徐々に立て直してきたようだ。先日九大名誉博士号を授与されたカルロス・ゴ−ンさんのような人物が各界に必要なのかも知れない。永年、経済界をリードしてこられた元全日空社長近藤秋男氏の言葉は重要だ。「学部毎の活動から全学の活動へ」、「九州を飛び出し、広い世界での活躍」を期待されている。確かに、九大は九州のみで認知されているに過ぎない。

(編集委員 白砂 兼光)

 九大もいよいよ独法化し、世界的な教育研究拠点を目指して様々な改革が打ち出されています。それを実現するうえで最も重要な資源はヒトであり、心身ともに健康であってこそ豊かな想像力や実行力が発揮できます。独法化に伴い、教職員の方々の健康管理や学生も含めた安全衛生管理は、主に労働安全衛生法に則ることになりました。これから先、私や健康科学センター等の産業医、産業保健師、衛生管理者等が各教室や施設を職場巡視したり、衛生委員会等が安全衛生問題の改善指導をすることになりますが、宜しくご協力をお願い致します。

(編集委員 入江 正洋)


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