■編集後記■
4月の法人化に伴い私たちは「教官」ではなくなった。以後「教員」と呼ぶのだそうだ。しかし辞書にはもう一つ「教師」という言葉が見える。「師」とは集団の中で何かをリードする意味を持つ。限られた枠に閉じこもり与えられた作業のみをこなす「人員」ではないのだ。次の新しい時代の開拓――これが大学の使命だとすれば今こそ我々は「師」と呼べる人を大学の内外に求めねばならない。インタビューシリーズ「九大人」は、そんなコンセプトで続けられている。
(編集主幹 静永 健)
アメリカの大学で、新入生が5月に読む本の第1位は、『ライ麦畑でつかまえて』だという話がある。21世紀にはいって、もう『ライ麦畑でつかまえて』は「古い」のかもしれない。ただ、表現方法は変わっても、新しい環境の中での孤独感や将来へのいいようも無い不安は、現在でもみな感じていることだと思う。危機的状況とは、新しい変革が生み出される時期でもある。内に閉じこもらず広く外に目を向けていって欲しい。
(編集委員 柄谷 利恵子)
最近、経済は上向きという。年金問題のごたごたなどをみても、政策や行政改革が功を奏したとは到底思えない。個々の企業が経済を徐々に立て直してきたようだ。先日九大名誉博士号を授与されたカルロス・ゴ−ンさんのような人物が各界に必要なのかも知れない。永年、経済界をリードしてこられた元全日空社長近藤秋男氏の言葉は重要だ。「学部毎の活動から全学の活動へ」、「九州を飛び出し、広い世界での活躍」を期待されている。確かに、九大は九州のみで認知されているに過ぎない。
(編集委員 白砂 兼光)
九大もいよいよ独法化し、世界的な教育研究拠点を目指して様々な改革が打ち出されています。それを実現するうえで最も重要な資源はヒトであり、心身ともに健康であってこそ豊かな想像力や実行力が発揮できます。独法化に伴い、教職員の方々の健康管理や学生も含めた安全衛生管理は、主に労働安全衛生法に則ることになりました。これから先、私や健康科学センター等の産業医、産業保健師、衛生管理者等が各教室や施設を職場巡視したり、衛生委員会等が安全衛生問題の改善指導をすることになりますが、宜しくご協力をお願い致します。
(編集委員 入江 正洋)
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