■ ■ ■  ■ ■ ■ S E R I E S 九大生が紹介する世界のキャンパス

クィーンズランド大学(オーストラリア)

Australia
九州大学の学生交流協定校は世界中にあり、多くの学生たちが交換留 学制度を利用しています。このシリーズでは、海外の大学に留学中の、 あるいは留学を体験した学生が、留学先の協定校をご紹介します。




クィーンズランド大学便り
生物資源環境科学府修士一年
柳川  綾(やながわ あや)
クィーンズランド大学
 七月末に新学期が始まり、あっという間に半学期が過ぎました。はじめは不安もありましたが、寮に入ったこともあり、友達もすぐにでき、順調な滑り出しになりました。寮では、国籍の違う多くの人々との出会いや、寮の校長先生を囲んだフォーマルディナー、寮をあげてのボールパーティ(いわゆるプロムパーティ)などケンブリッジの流れをくんだ寮独自のイベントが数多くあり楽しく過ごしています。
 初めての講義ではノートを取れず、先生が何を言っているのか理解するだけで精一杯で非常に不安な気持ちになりましたが、慣れてくると日本語でノートを取りつつ講義を聴くことが出来るようになりました。Tutorialというディスカッション形式の授業では、参加度が成績評価の二十五%を占めると聞いて、必ず一回は発言する、と心に誓って今のところ達成中です。ただ、クラスで一人英語そのものが出来ないので、私が口を開くと他の人たちが沈黙して一生懸命理解してくれようとするので、ありがたいと思いつつも毎回とても緊張します。学生の中には理系分野と文系分野で専攻を二つ取っている人もいて、学業面にも活気があり、そういう人たちと話すこともいい刺激になりました。授業で一番重点が置かれているのは、論文の書き方です。四年生やマスターコースの学生だけでなく、どの授業のレポートも論文形式で、英語圏では分野によって統一された論文の書き方があることを知りました。自分が前に書いた論文の間違いなどを見つけてしまったりしています。スペイン語の授業なども受けており、文法をほとんど知らない一年生がスペイン語で会話する姿に驚きました。ここでも一人あたふたしていましたが、少人数なこともあり、会話の練習を通じて沢山の人と仲良くなれました。また、スペイン語を学習することで、英文法の再確認ができるなど、語学コースをとったメリットは大きかった気がします。
 新しいことの連続、色々な文化とのふれあいを通して、勉強以外でも学ぶことが多い気がします。大学生としての自分にとってかけがえのない時間になるよう、これからも積極的に色々なことに挑戦していこうと思っています。すばらしい機会を与えてくださり、ありがとうございました。この文章が少しでもこれから留学を希望される皆さんの参考になればよいと思います。

クィーンズランド大学
寮の友人と。後列左端が柳川さん
 クィーンズランド大学は一九一一年に設立された総合大学で、複数のキャンパスを所有し約五千コース、五百プログラムを提供している。留学生が多く、イギリス、アメリカはもちろんドイツ、東南アジアや中央アジアからの学生も非常に多く、言語学部で開かれている英語授業を開放するなど、非英語圏から来た学生を支援するシステムが整っている。一年のうち三百日が晴れており、キャンパス近辺には、マングローブがはえていたり、ポッサムという有袋類の小動物や様々な鳥がいて、自然豊かな環境にある。

クィーンズランド大学ホームページ(http://www.uq.edu.au/
交換留学に関するお問い合わせは、国際交流推進室092-642-7094へ

編集後記

 私の所属する研究室では、先代教授の頃以来数十年間、毎年三月に一泊二日の合宿がある。院生・学生諸君の企画するささやかな親睦旅行だ。大分県九重町の「九大山の家」は、数年に一度は利用する“定番”の宿泊地。大自然にいだかれて、ゆっくり温泉につかり、歓談のひとときを過ごす……昨年は時ならぬ大雪に、卒業間近の諸君は「いい思い出になりました」と頻りに写真を撮っていました。今年は改修中。来春、またお世話になります。

(編集主幹 静永 健)

 冬になったはずなのに木枯らしも吹かない。地球全体の気候が大きく狂いはじめているにもかかわらず、あわてて生活の仕方を変えようともしない人間の社会も、それにおとらず狂いはじめている。その一方で、われわれをここまで導いてきた社会や経済の基本的なあり方を問い直す作業の成果は、まったく不十分というほかない。大学人が、流れに抗して社会に働きかけなければならない時機は、とっくに到来している。

(編集委員 石田 正治)

 ノーベル賞で有名になった岐阜県神岡町の「カミオカンデ」。初めは変な名前だと思ったが、慣れてしまえば違和感もない。地元の知名度向上にも繋がると考えれば、なかなか上手い命名だ。九大新キャンパスの地名は元岡。とすると、ICカードは「モトオカード」。水素自動車は「モトオカー」、いや、これでは芸がないのでフランス風に「モトオカミオン」。ノーベル賞受賞の会見場所として地中海風の「モトオカーサ」も用意しておきたい。

(編集委員・総務課長 藤吉 尚之)

 新移転スケジュールの決定、現地に情報発信拠点Big Orangeがオープンし、秋にはいよいよ開校ということで新キャンパスづくりを特集しました。大プロジェクト理解の一助となれば幸いです。特集の編集に時間をかけている間に多くの原稿を頂戴して本号は大増ページとなりました。どうぞゆっくりお読みください。アンケートへのご回答もよろしくお願いいたします。2005年も「九大広報」をご愛読くださいますように。

(主席広報担当 臼杵 純一)


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