■歯学部長
赤峰昭文 (あかみねあきふみ)
専門分野:歯科保存学
鴻鵠は高く飛ぶ
皆さん入学おめでとう。歯学部の教育理念は、基本的には歯科医師を養成することなのですが、それと同時に歯科医療や歯科医学の教育・研究におけるリーダーとして国内外で活躍できる優れた人材を養成することを掲げています。また、九州大学教育憲章では秀でた人間性、社会性、国際性を有し、医療福祉の面からは奉仕精神や倫理観に富む人材が求められています。患者さんの立場になり、痛み、悩み、苦しみを十分、わかり合えるような歯科医師に育ってもらいたいし、歯科医学を目指す人には情熱と創造性に富んだ研究者になって欲しいと思います。
今、歯学部を取り巻く環境は大きな変革の時代を迎えています。2000年からの大学院重点化に始まって九州大学病院の統合(2003年)、国立大学の法人化(2004年)等々です。このように大学や歯科医療を取り巻く社会環境は変化しつつありますが、大学に課せられた歯科医学の充実と発展に貢献するという使命は続いています。このため、私たちはこれからも歯科医学の中核拠点としての機能を果たすべく、一層の努力をしていきます。
今回、あなた達に「鴻鵠は高く飛ぶ」という言葉を贈ります。これは鴻鵠すなわち大きな鳥は空高く、悠然と飛んでいるという意味です。司馬遷の“史記”に「燕雀、安んぞ、鴻鵠の志を知らんや」という一節がありますが、鴻鵠に対して、燕雀(つばめ、すずめ)は小さな鳥のことで地上でピーチク、パーチク、さえずっている様子をあらわしています。あなた達は難関の九州大学歯学部に入学しました。“鴻鵠”になる素地は十二分に兼ね備えています。九州大学は西日本の“雄”です。どうか、あなた達には良い意味でのプライドを持ち、将来、社会に大きく羽ばたいて、歯科医学界をリードする人材に成長して頂きたいと思います。
あなた達の夢と希望とロマンに満ちた素晴らしい未来に、心からエールを送ります。
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