九州大学では、役員会(表1)、経営協議会(表2)、教育研究評議会(表3)が中心となって自主的、自律的な大学運営・経営を行っていきます。法人化に伴い、大学運営・経営に対して総長のリーダーシップの発揮と結果責任が強く求められています。大学運営・経営を円滑に行うためには、教育研究の現場で活躍する教職員と総長あるいは大学執行部との意思の疎通が一層重要となります。部局長会議は、各部局構成員の意見を汲み上げる場あるいは部局活性化の役割を持つべきです。
九州大学の運営組織は各担当役員(理事)の下に対応する事務組織が直結し、事務職員が担当役員の職務と責任を直接支える組織となっています(図1)。この組織化により、教育、研究、社会貢献、国際貢献、キャンパス問題、広報・図書館、大学構造改革、総務に関して大学で協議、検討されている諸事項が直ちに総長に伝わり、大学運営・経営に総長のリーダーシップ発揮がし易くなっています。役員と事務部が縦割りになり、担当事項の検討、遂行の仕組みが明確になっていますが、現実には、大学で検討すべき諸問題は縦割り組織のみでは解決しません。例えば、キャンパス問題では、責任担当役員を中心に、ほぼ全ての役員が参加し、協議・検討が行われるべきで、大学運営・経営には、組織の縦割りと横割りを柔軟に組み合わせみ合わせて取り組みます。また、事務組織の改組・再編成や人事については、総長が委員長を務める執行部を中心に構成された事務体制委員会が責任を持って行います。
今後、九州大学は、文部科学省に提出する「中期目標・中期計画」あるいは「年度計画」に従って行動し、改革・改組を進めていきます。国立大学法人評価委員会による6年後の評価は、平成22年度以降の運営費交付金に厳然と反映されます。制度、組織の変革も必要ですが、世界の一流大学となるという教職員の意識改革と意欲、さらに競争心がまず不可欠となります。教育研究に対して常に積極的にチャレンジ精神を持つことは、個々の教員の意識、努力と情熱に頼らざるを得ません。さらに、外部資金、競争的資金の更なる獲得が、教育研究環境を一層良くすることは疑いもありません。
九州大学の構成員が、教育研究の世界レベルの中核的拠点構築に向け、一丸となって情熱を傾けられることを願っています。
(かじやま ちさと/高分子化学)
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