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医学部創立百周年と百年講堂

 九州大学病院地区の正門から眺めると、右手に 歯学部附属病院があり、その奥にクリーム色の新 しい医学部附属病院南棟が聳えています。左手に はツツジに彩られた新緑の神の手庭園(医学部創立 75周年記念庭園)が広がります。庭園の遊歩道を進 むと、左手の築山の木立の間から、前面に円柱と ガラス張りを組み合わせた青い曲線の屋根をもつ 建物が見えてきます。これが医学部の教職員と同 窓生が中心となり6年に亘りその建設に尽力して きた九州大学医学部百年講堂(以下「百年講堂」という。)です。 百年講堂は、1903年(明治36年)に福岡の地に近代医学の府が 創建されてからの百年の歴史の象徴であるとともに、これから 百年間の九州大学の学術情報の発信と市民交流を担うものとし て建設されました。
 1997年(平成9年)4月に九州大学医学部創立百周年記念事業 後援会が発足し、翌年から10億円を目標に募金活動を開始しま した。経済状況が不調な中での募金活動は困難を極め、目標達 成が危ぶまれたときもありましたが、病院地区に教職員、学生、 同窓生、市民が集う場を建設しようとの熱意が事業を推し進め、 医学部同窓会を中心に、企業や同門会の多大なご協力により目 標が達成でき、創立百周年記念事業の最大の柱である百年講堂 竣工の運びとなりました。
 3月8日この百年講堂に来賓、同窓生、名誉教授、総長以下 の学内関係者ら426人が出席し九州大学医学部創立百周年記念 式典が挙行されました。来年度は明治以来の国立大学制度の転 換期に当たる年であり、桑野医学部長(当時)から、全国の俊 秀が集った往事を振り返り、この間の医学部への支援に対する 感謝の念と新たな百年への決意が述べられました。ご来賓の麻 生福岡県知事、山崎福岡市長、大野九経連会長、梶山総長から 医学部が果たしてきた役割への思いと今後への熱い期待を込め た祝辞がありました。記念講演会では、尾前名誉教授(国立循 環器センター名誉総長)が、医学・医療を取り巻く厳しい現状 の中で辛口の提言を交えながら医学部に対する期待を述べら れ、本庶京都大学教授から同大学医学研究科の取組みを紹介し ながら九州大学の医学に対するエールが送られました。
 それでは百年講堂をご案内します。百年講堂は、学内外に広 く開かれた施設であり、前面総ガラス張りの明るい開放的な施 設です。人と環境にやさしい施設をコンセプトに、多目的な機 能を果たせるよう設計されています。正面玄関を入ると、吹抜 けの広い交流ホールがあります。教職員、学生、研究者、市民 の自由な交流の場であり、展示も行うことができるスペースで す。578席の大講堂は、学会や講演会を念頭に音響設計が行われ、 最新の設備を有しています。120席の中講堂が3室(2室は壁を 払えば一室として使えます。)、36席の小会議室が3室、すべて 映像・音声双方向システムが整備され、1100人程度の学会にも 対応できます。同時通訳のブースも4室整備して おり、国際学会にも対応可能です。百年講堂は、 ハード面でもソフト面でも利用者の使いやすさが 第一に考えられております。
 百年講堂は、新しい国立大学法人九州大学と共 に歩むことになります。今後、学内外に広く利用 されることで、本学の教育研究発展の一翼を担う ことが期待されます。
(文責:九州大学医学部)
桑野医学部長挨拶
受付・交歓風景
創立百周年記念式典序曲の演奏(九大フィル)


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